気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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片倉家&長曾我部家 de 秋の大運動会

食欲の秋。読書の秋。運動の秋。何をするにもいい季節である。
そして、子を持つ親の気合いの入りようも尋常ではない時期でもあった。
「やるからには勝つ!」
「どの組を狙ってやがる?」
「層の厚い、織田さんの所!」
「……、だろうな」
予想通りの答えに小十郎は溜め息を吐き出した。

今日はBASARA学園運動会。そして、やる気満々で参加するのは保護者対抗リレーだ。

保護者と子供が走り、順位を競うリレーである。子供達がプリントを持って帰って来ると、佐助が異様に張り切り出したのである。
「この日の為にバトンの練習をしたんだから!」
「あぁ、これで終わりだ」
付き合わされる小十郎は疲労困憊だった。仕事から帰り、彼を腕に抱いてゆっくり寝るつもりが、バトンに見立てた新聞紙を片手に、町内を全力疾走する事、十日間。やっとそれから解放されるのだと思うと目頭が熱くなる。
「はっはっは、気合入ってんな、佐助」
「間違ってもスタートで転ぶでないぞ」
同じチームの瀬戸内組が鉢巻をしてやって来た。
「就ちゃんも転ばないように気を付けてよ。親ちゃんはアンカー200メートル頑張ってね!」
「頑張るも何も、上杉がいるチームの圧勝で終わ……痛ぇ!」
美人のくのいちが控えるチームを挙げる元親の足を元就が蹴り飛ばした。
「痛ぇな、何だよ!」
「弱点を突けば、我らにも勝機はある」
「あ?弱点?軍神のブロマイドでも撒くつもりか?」
「抜かりはないわ」
懐から写真を見せる元就に、元親が引き攣った笑い声を上げた。どの家も張り切るのは嫁の方である。


一度始まってしまえばテンションは否応にも上がる。子供も一緒に走るのだが、手加減、容赦、一切無用。大人げないと言うなかれ。必死に、それこそ真剣に走るのは、寧ろ親の方なのだ。子供達の若さに負けるチーム。親の根性を見せるチーム。そんな一生懸命なプレーを見ているだけで、とても楽しいものである。佐助がそうしてランナーを目で追っていると、追加で参加してくるチームを見付けた。
「あれ?もしかして、大将も参加するんじゃ……?」
「何だと?信玄公が?」
「はっはっは、ホントだ。飛び入り参加する気かねぇ?」
「笑い事ではないわ!あの顔ぶれを見よ!」
元就が引き攣りながら指差した先には、武田信玄、立花宗茂、島津義弘、風魔小太郎。掠っただけで吹き飛びそうなパワーファイターの中に忍が控えていた。受付でエントリーしている四人に、
「どうしよう!小太ちゃんがいたら負けちゃう!」
「おのれ、卑怯な!北条の代わりのつもりか!」
佐助と元就が悲鳴を上げ、小十郎と元親が苦笑した。
「腰を悪くされている氏政殿が走るのは難しいだろうな」
「どうせまた爺さんに調子良く命令されたんだろ」
表情を一切変えない青年だが、氏政の傍では楽しそうに映るのだ。お調子者だが、心優しい祖父の為になら、忍の足を使う事すら厭わないだろう。
「計算してないぞ!ここからではもう北条に毒を盛れぬ!」
「就ちゃん、怖い事言わないで!でも、気絶させるだけなら……!」
懐から薬包紙を取り出す元就。そして、グラウンド内にはあるはずのない手頃な石を探す佐助。
「おいおい」
「任せろ!俺が釣り上げてやるぜ!」
呆れ返る小十郎の傍で、元親がどこからか釣竿を取り出した。止めに入るとばかり思っていた長曾我部家の大黒柱まで悪さに加担しようとし、
「やめやがれ!テメェら、いい加減にしねェと、俺は棄権するぞ!」
とうとう小十郎の堪忍袋の緒が切れた。それに飛び上がって驚いたのは佐助だ。踵を返す男の腕を掴んで止める。
「ごめんなさい!ちゃんと走るから行かないで!小十郎さんがいないと詰まらないんだから!」
「……ッ!」
「せっかくあんなに練習しただろ?もう何もしないから、一緒に走ろうよ」
「…」
何よりも小十郎が喜ぶ言葉を佐助が叫んだ。鬼の角が圧し折れる瞬間を見た瀬戸内組は内心で感心しつつ、知らん顔をしていた。
やる気満々の佐助の隣に控えている小十郎から覇気が消え失せてしまった。それを尻目に、元親が肩を揺らして笑った。
「風魔がいようが、いまいが……こりゃあ、負けが決定したな」
「何故だ?」
「竜の右目は夜に余力を残すだろうよ」
「佐助が全力を出せば結果は同じぞ」
「俺だったら、疲れ果てて眠るあんたを腕に抱いて寝るだけでも嬉しいぜ?」
「……ッ、焼け焦げよ!」
「はっはっは」
そっと元親が手を伸ばして小さな手を握ると、顔を耳まで赤くしながら、それでも元就は大きな手を振り払おうとはしなかった。

リレーの結果はと言うと、片倉家の大黒柱と長曾我部家の嫁が浮足立ち、二度もバトンを落とすというミスを犯し、惨敗。
怪我人が出なかっただけマシなのだろう。

何をするにも、秋はいい季節である。



久し振りの一発書きSSでした~。
体育の日以外に運動会が実施されているのを良く見かけます。

しかし、せっかくのいいネタを……勿体無い事をしてしまいました。
もっと設定を掘り下げれば、色んなキャラが出せたのでは…?と今頃思う。
けどまぁ、こういう季節ネタはサイトにしか上げられないので、思い付いた時にチャッチャと上げて行くのが吉なのですね。
少しでも笑って下されば幸いですw

そして、拍手有り難うございました。
励みになっております(*^^)v

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