気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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二人旅de七夕

さんさんと照り付ける太陽を見上げ、ソルは小さく舌打ちした。道行く人々はそんな不機嫌そうな勇者を避けて通った。触らぬ神に祟りなし。
「……ウゼェ…」
太陽の名を冠する割に、暑さに弱いらしい。桜が咲く前にアリアハンを出発し、かれこれ数ヶ月。日差しのきつい季節に突入していた。
「さて、戦い詰めで疲れただろう?宿で休もうか」
「あぁ」
町に立ち寄った彼等の目に留まったのは、何やら色とりどりの紙を持った子供達だった。
「今日は七夕なんだ。紙に願い事を書いて、それを笹に吊るせば願いが叶うんだよ。お兄ちゃん達にもあげるよ」
そうして子供達と一緒に紙に願い事を書く事になったのだった。
「ソルの願い事は何だ?」
「お前を抱く事」
「却下」
「……即答かよ」
やれやれと肩を竦める勇者に、カイは苦笑を零した。
「子供達もこれを見るんだから、そんな馬鹿な事書ける訳無いだろう。『魔王を早く倒せますように…』でいいか?」
「あぁ、構わねェが……それでいいのか?」
「え?何が…?」
「…いや、いい」
「??」
勇者が何を言いたいのかが分からず、カイは首を傾げたが、気を取り直して願い事を紙に書き、笹の葉に吊るした。そんな賢者の行動を、勇者は不思議そうに見ていた。
その日の夜、宿に泊まった勇者一行は温泉に浸かりつつ、旅の疲れを癒していた。
「ソル、空が光ってるよ」
「天の川だ。伝説では一年に一度、織姫と彦星が逢う為の星の橋だと言われている」
何故か詳しい勇者に、賢者は星を見上げながら感嘆の息を吐いた。
「へぇ、遠距離恋愛しているのか」
「……まぁ、そんなもんだ」
「説明を省略したな、嘘吐き。そんな話じゃないだろう」
「知ってるんなら訊くんじゃねェよ」
夜空の星を肴に、ソルは酒を喉に流し込んだ。それを見ていたカイが眉根を寄せた。
「あんまり飲むなよ。明日も早いんだからな」
「……あぁ、早く魔王を倒すんだったか」
「うん。早く倒すに越した事はないよ。…お前は見ていなかっただろうけど、『お父さんとお母さんに逢いたい』って書かれた短冊があったんだ」
カイの言わんとする事を察し、ソルは目を細めた。
「ソル、頑張ろうな」
「…」
やれやれと小さく溜め息を吐きながら、ソルは黙って酒を注いだ。勇者の目的はただ一つ。魔王を倒した後の褒美が欲しいのだ。
「他の誰がどうなろうと、知った事じゃねェんだがな…」
「え?」
「本来『勇者』ってのは、坊やみたいな馬鹿なお人よしがなる職業だろ」
「ば、馬鹿なお人よし…?」
ショックを受ける賢者に苦笑しつつ、ソルは溜め息を吐く。カイが願い事を書いた時、多少なりとも期待してしまった。彼はソルの求めるものが何なのか知っているはずだからだ。だが、―――
(根っからの勇者気質だからな、坊やは…)
孤児達を思っての『願い事』なのだ。下心などありもしない。
「ククク…クククククク……」
「ソ、ソル…?酔いが回ったのか??」
「魔王を倒したら、ちゃんとヤらせろよ」
「…………ッ!!!!」
言った瞬間、カイが真っ赤になった。そんな彼に笑みを誘われつつ、
「冗談だ、マジにすんな」
ソルは酒を呷った。そんな淋しそうな勇者にカイは狼狽した。
「あ、…あの時の『約束』は忘れてないよ。けど……でも…」
「孤児がいるんだろ。分かってる。冗談だと言っただろうが」
「…」
カイは口を閉じて俯いた。ソルは頭がいい。いや、頭の回転が速いと言った方が妥当か。カイが何か一つの事を言うとそれをすぐに察し、カイの思うように動けるように道を示してくれるのだ。自分中心に考えているようで、実はそうではないのである。
「私が『馬鹿なお人よし』だから、ソルがそんなに淋しいのか?」
「ククク、慰めてくれんのか?」
「…」
ソルは冗談のつもりだったのだが、カイは違ったようだ。ソルの前に移動すると、そっと男の唇に自分のそれを重ねた。
「!」
「私にとってソルは一番大切な人だよ。でも、困っている人達を見てみぬ振りなんて出来ない。私に出来る事があるなら…」
「分かった、分かった。馬鹿なお人よしだから、仕方ねェんだろ?」
ソルがポンポンとカイの頭を慰めるように叩き、苦笑を零す。慰めようとしたソルに逆に慰められ、カイは腕を男の首に回して抱きついた。
「ソルが好きなんだよ」
「あぁ、分かってる」
「………」
「泣くな」
馬鹿なお人よし。そんな彼に惚れたのが運の尽き。そうしてのぼせてしまった彼を抱え上げて、ソルは部屋へと戻って行った。

番外編 終
番外編、七夕ネタでした。
本当は現代のお話で考えていたのですが、話がまとまらなくて…;;孤児とか出てくるのはその名残。まぁ、ドラクエの世界ならいるのでしょうが、ゲームの中では見かけませんのでオリジナル設定です…。
暗黙の了解、と言う事で勘弁して下さい(笑)
それにしても、こんなバカップル、久し振りに書いたなぁ……は、恥ずかしい;;
馬鹿げた勇者や賢者は書いているのですけどね(笑)

さて、ちょっとプチ放置してしまいました。すみません;;
精神的にやられているのでしょうかね……早い話が、現代病です。
色々と溜め込む性格なので、疲労が半端じゃないのです。
起きていられないし、色々出てきているし…;;ちょっと遅い五月病…、かな?(笑)
まぁでも、気分転換させてくれる方が傍にいるし、話を聴いて下さる方がいるので、何とか帰って来ました。ウルト●マンみたいだな…

今までに拍手して下さった方、有り難うございました。
沢山の方に見て頂いているのに、七夕と言うイベントもこんな形で終わってしまい…;;駄目管理人で本当に申し訳ございません。
元気出して頑張ります!!

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