気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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籠の鳥

籠の鳥


不自由のない生活だった。
大きな屋敷で一日三食、昼寝付き。
外には出られなかったけれど、忙しくしているご主人様が屋敷にいる間は毎晩遊んでくれた。

時々知らない人達に珍しい毛並みの俺様の事を自慢して見せていたけれど、誰にも触れさせようとはしなかった。

いつもと同じように知らない人達が俺様を見に来た。けれど、その日は背筋が凍る思いがしたんだ。
「卿好みの珍しい毛並みだろう」
『?』
ご主人様が怖そうな人と話をしていた。
「猿飛を返してもらおうか」
「ふふ、決めるのは私ではない」
「何だと?」
「ここから出て行こうと思えば、いつでも出ていけたはずだ。だが、彼はそれをしなかった。それがどういう意味か解るかね?」
「……」
怖そうな人の顔には傷があった。それだけでも怖いのに、物凄い眼で睨み付けられた。そのまま傍に寄って来て腰を下ろして、目を合わせてきた。安全な籠の中にいても震え上がるくらい怖かった。
「俺が分からねェのか?」
『だぁれ?』
「!」
俺様の声を聴いて、男が本当に驚いた顔をした。その瞬間、
「松永、テメェ!」
ご主人様に掴み掛かろうとした。けれど、すぐに護衛が風の様に現れて護ってくれた。良かった。でも、俺様は息が止まるくらいに驚いた。
「怖がらせないでやってくれたまえ。彼が怯えてしまっている」
「あいつに何をしやがった!」
「彼が望む通りの調教を」
「ふざけるな!」
「ふざけてなどいない。高い女のような声も、彼が望んだ。そうだな、佐助?」
『はい。いけない事だったの?』
「いいや。誰も卿を縛れない。卿は誰よりも自由でなければな」
ご主人様が笑ってくれた。それだけで嬉しい。それなのに、
「自由だと?こんな檻に閉じ込めて、それでも自由か!誰よりもテメェがこいつを縛り付け、支配してやがるんだ!」
この人はとても怖くて、身体が言う事を利かなくなる。
『怒らないで。怒鳴らないで。ご主人様は優しくしてくれる。お願いだから、もうやめて』
「違う、猿飛。お前はこんな所にいちゃいけねェんだ。俺と一緒に来い。外に連れ出してやる」
『どうして?ここでは何も不自由していないし、ご主人様も傍にいてくれる。どうしてそんな風に言うの?』
「……」
あ。何だろう。この人の顔を見たら、胸が苦しくなった。
『どうしてそんな顔をするの?』
「…」
訊いても、答えてくれなかった。後悔?哀しみ?謝罪?辛いの?どうして?
「ふふ、卿が私以外の者に興味を示したのは初めてだな」
『だって……』
こんな泣きそうな顔をされたら。放っておけなくてそっと大きな手に触れると、何も言わずに優しく握ってくれた。
「一度外を見てくるのもいいだろう。卿が戻りたいと思えば、いつでも戻ってくればいい。この檻と枷はいつでもここにある」
『で、でも……ご主人様』
顔を上げると、ご主人様が檻の中に入ってきて枷を外してくれた。
「彼は片倉小十郎。卿の新しい主人だ」
『かた……?新しいご主人様?』
「そうだ。卿の新しい主だ。外の世界を楽しんで来たまえ」
冒険。そんな言葉が頭の中に浮かんだ。もう俺様の心は外に向いていて、ご主人様達が話している事なんてどうでも良かった。



嬉しそうに小太郎と戯れている佐助を尻目に、小十郎は久秀を睨み付けた。
「こんなに簡単に手放すとはな。何を企んでいやがる」
「手放す?それは違う。外へ行くのも、ここへ戻って来るのも、彼の自由だ。それに、私が彼をどうしようと、卿に口出しする権利はない。そうだろう?」
「……猿飛はもらって行く」
「好きにしたまえ」
アッサリと久秀が引き下がり、屋敷の奥へ消えて行った。小十郎が渋面のまま立ち尽くしていると、待ち切れないのか、佐助がソワソワと傍を歩き回った。
「すまねェ。……行くか」
『はい、ご主人様』
「……小十郎だ」
『はい、小十郎様』
「……」
『?』
そうして松永の屋敷から佐助を連れ出す事に成功した小十郎だが、彼がここでどんな生活をしていたのか、これから嫌というほど思い知る事になるのだった。



いわゆるNTRネタ、になるのかね?
松永さん調教済みのおかしな佐助をお下がりでもらう小十郎。

書きたい所だけ書いたので背景が全くありません。
掘り下げるかどうかは……って、こういう話は他で読もう(-_-;)
興味本位で書いたけれど、ミッ●ーワールドには必要ないよねぇ。

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