気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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佐助のホワイトデー事情

佐助のホワイトデー事情


バレンタインデーが過ぎると同時に店にはブルーの看板が立ち並び、ホワイトデーに向けてクッキーや可愛い小物が並ぶ。クッキーの箱が置かれた棚の前で幸村が立ち止まった。
「気が早いね。もう竜の旦那へのお返しを買うの?」
佐助も立ち止まって尋ねた。クッキーの箱を手に幸村が振り返る。
「いや、バレンタインに渡したからな。政宗殿はホワイトデーもケーキを焼いてくれるのだが、お返しはいらぬと言っていた」
「はぁ?そんな事してたら愛想尽かされるよ」
「だが、作ってくれると言うから……」
「お馬鹿さん!本音と建て前は違うの!ちゃんと竜の旦那にお返ししなきゃダメ!」
佐助が強く言うと、そうかと納得しつつ幸村がもう一つ箱を手に取った。おや、と佐助は目を丸くした。
「誰かにお返しするの?」
幸村も女性から好意を寄せられているのだろうかと、佐助が嬉しそうに顔を綻ばせた。そんな彼を尻目に若虎が複雑な表情で俯いた。
「……うむ。佐助は要らぬのか?」
「俺様はまた手作りするからいいの」
「それで先月片倉殿と揉めていたではないか」
バレンタインに安いチョコで作ったものを小十郎に手渡しながら、佐助は限定チョコを自分にご褒美していたのだ。それを偶然男に知られ、詰め寄られていたのである。幸村の言葉に佐助は可笑しそうに笑った。
「あはは、大袈裟な。ちゃんと二人で限定チョコを分けて食べたよ」
「来月は何を自分にご褒美するつもりだ?」
「リーガの限定クッキーの詰め合わせかなぁ。それか、ケーキでもいいなぁ…って、何でまたあんた達がいるの?」
低い声の主を振り返ると、ひきつっている政宗と苦く笑う小十郎がいた。幸村にケーキの約束をしている政宗は先の会話に多少なりともショックを受けていたようだ。
「俺はアンタのパティシエじゃねェぞ」
「うむ。だから、貴殿のお菓子は後半年以上待たねば食べられぬ」
「……半年?」
「ホワイトデーを過ぎれば、次はハロウィンまで貴殿のお菓子は食べられぬだろう?残念でござる」
淋しそうに笑う幸村に小十郎は渋面になり、佐助はなんて甘え上手だと内心で感心していた。普段こうして素直に甘えられる事のない政宗は照れくさそうに頭を掻いた。
「そ、そんなもん、食いたけりゃいつでも……」
恐らくバレンタインにもこんなやり取りがあったのだろう。小十郎と佐助が顔を見合わせて笑った。
「まことでござるか?毎日でも貴殿の手作りお菓子が食べたいでござる!」
まるでプロポーズのようなセリフを吐いて嬉しそうに頬を紅潮させる幸村に、それまで黙って成り行きを見守っていた小十郎と佐助は慌てて止めに入った。
「馬鹿な事を言うんじゃねェ、真田。政宗様はそれでなくてもお忙しい。お前はもう少し遠慮というものを知れ」
「甘やかしちゃダメだよ、竜の旦那。本気にして、この人図々しく毎日あんたの家に通うから」
至極普通に常識的範囲内の事を言ったつもりだったのだが、何故か若者達から反感を買ってしまった。
「片倉殿はいつでも政宗殿のお菓子を食べられるからそう思われるのです!お一人だけズルいでござる!」
「……ズルい?」
この口上にはさすがに小十郎も驚いた。食べ物の恨みは怖いとはよく言ったものである。
「今更だぜ。幸村はアンタに放ったらかしにされて、夜中に良く俺んちに駆け込んで来てんだ。子守代はアンタに請求するからな」
「何それ、ホント?」
幸村の言い分は小十郎が上手く説得したが、政宗は爆弾を投げてきた。
「放ったらかしにしているつもりはないけど、護衛を付けずに夜中に行動するのは問題だね」
じろりと佐助が視線を投げると、幸村はまっすぐに見返してきた。
「ちゃんと才蔵に付いて来てもらっているし、政宗殿へも事前に連絡してから行っている」
「……何しに行ってるの?」
佐助は引きつった。子守代は冗談にしても、竜の言うとおり夜中に度々遊びに行っているのであれば問題だ。重要な用事でもあるのなら話は別だが。
「何って、勿論お菓子を食べに……」
当然のように言い放つ幸村に佐助は当然の如く怒り狂い、小十郎の雷も落ちた。
「才蔵は何も言わなかったの?いや、言わないな。そういう所は徹底してるから。あ~、もう!何考えてんの!俺様がいないとそんな事してんの?」
「政宗様も度が過ぎます!優しさと甘さは違うのですぞ!護衛が付いていたとしても、もし真田に何かあったらどう責任を取るおつもりか!」
保護者達は迷惑を掛けるような事をするなと言っているのだが、若者達は柳眉を逆立てた。
「だったら小十郎が俺の傍にいればいいだろ!暇してるのが幸村しかいねェから一緒にだべっているだけだ!」
「それなら佐助がお菓子を作って、俺の話し相手になればいいのだ!お菓子を作れて空いているのが政宗殿だから遊びに行っているだけだ!」
そうして淋しいと訴える若者達を、
「遊ぶにしても配慮が欠けております!それに、俺にも帰る家がございます!我が儘を仰いますな!」
「我が儘言わないの!俺様は片倉の旦那のご飯を作らなきゃいけないの!竜の旦那にお菓子を頼むにしても、夜中に行くなんて非常識でしょ!」
保護者達はキッパリと突き放した。端から見れば大型犬に吠える小型犬といったところか。落ち込んでしまった二人から距離を取り、小十郎は痛む頭に眉間の皺を深くして溜め息を吐き出した。
「すまねェ、猿飛。今まで問題が起きていないとは限らねェ。もし、何か発覚したなら遠慮なく言ってくれ」
申し訳なさそうな男を見上げ、佐助も引きつった笑みを浮かべた。
「こっちこそごめんね。竜の旦那も狙われる立場なんだから、もし何かあったら謝っても許されないよ」
淋しさが先に立つ政宗と幸村は物事の深刻性が分かっていないのだ。小十郎と佐助がそうして頭を痛めていると、そんな姿にさえ二人は拗ねて不貞腐れるのだった。

「……ホワイトデーはどっちかの家でパーティーでもする?きっとまた夜中に抜け出すよ」
仕方がないと佐助は提案した。
「……仕方ねェな」
男の了承にホッと安堵の息を吐き、ふと佐助が何かに気付いたように頭を上げた。
「リーガのクッキー……」
せっかくの楽しみが、と頭を下げる。予約を入れたとしても、受け取りはホワイトデー当日。当日は準備に追われて受け取りになど行けないだろう。そんな彼の橙色の髪を撫で、
「俺が取りに行ってやるから予約しておけ。長曾我部や毛利も誘いたいんだろ?やりたいようにやりな」
小十郎が穏やかに笑った。
「へへ……もう、カッコいいんだから」
「フッ、そうか」
「へへへへへ……うん」
「ククク」
幸せいっぱいな二人を前に、政宗と幸村は知らん顔をして並んでいるクッキーの箱を淋しそうに見つめていたのだった。



やってしまった、フライングネタ(笑)
だって、先月と同じように出勤途中にブルーの看板が立っているんですもの~……。

バレンタインの時と同じように「~事情」でまとめてみました。
ホワイトデー当日は同じく片倉家で行ってみようかな(笑)

そして、拍手&アンケートのポチ押し有り難うございましたvv
お客様は神様ですと叫びたい(笑)

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