気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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エイプリルフール

エイプリルフール

「さ、佐助!俺は……俺は、お前が大嫌いだ―――――ッ!」
大声で幸村が叫んだ。朝食の目玉焼きを皿に移しながら、佐助はニコッと笑った。
「ありがと、旦那。さ、朝ご飯出来たよ。早く食べて行かないと今日は朝練があるんでしょ?」
サラッと流されてしまったが、それよりも剣道の朝練の事に気を取られた。ハッと我に返って、慌ただしく準備をする。
「美味そうだ、頂きます!」
「あ!待って、旦那!」
佐助が鋭く言い放ち、幸村が表情を引き締めた。
「どうした?」
「それ毒が入ってる」
「え……?ええ?毒だと?」
口に運ぼうとしたウィンナーを思わず皿に戻し、幸村が目を丸くした。
「もう、嘘に決まってるでしょ。早く食べて。はい、強い子のミロ淹れたからね」
「……」
「へへ、ごめんって。真田の旦那の嘘は判り易いんだよ」
佐助の嘘は性質が悪い。と言うか、心臓に悪いと思うのは幸村だけではあるまい。朝ご飯を急いで平らげ、佐助に一瞥を投げた。
「片倉殿にあんな事を言ったら怒られるぞ」
「平気、平気。あの人、俺様の言う事なんてほとんど嘘半分にしか聴いてないから」
「……そんなはずはないだろう。お前の事を誰よりも……」
「旦那、遅刻するよ」
「あ……うわ――――――ッ!行ってきます!」
時計を確認し、幸村が慌てて家を飛び出した。その背中を見送り、佐助は思わず吹き出してしまった。
「ホントすぐ騙される。……放っておけないなぁ」
良く言えば真面目。悪く言えば冗談が通じないのだ。騙されても気付かないだろう。クスクスと自然と笑いが零れた。

アパートに帰った佐助は慶次から聴いたエイプリルフールの面白ネタを話しながら、小十郎にビールを手渡した。
「チカちゃんが元就君の嘘に大喜びしちゃったんだってさ。俺様も見てみたかったなぁ」
「好いた相手から好きだと言われれば、そりゃ嬉しいだろう」
「あはははは、そうだよねぇ。まぁでも、半分は本当だからいいんじゃないかなぁ。あんたんとこは?」
「朝一発目に大嫌いだと言ってきた」
幸村と同じ行動だ。佐助は思わず吹き出してしまった。
「真田の旦那と同じだよ。ホント似た者同士だよねぇ」
「あぁ。お前の嘘は嘘に聞こえねェんだから、余り困らせるなよ」
「それはあんたも同じでしょ?真面目に俺も嫌いですとか言って主人を泣かせたんじゃないの?」
「……」
男が黙り込み、図星だったのだと知る。クスクスと笑いながらビールを飲み干し、冷蔵庫に向かう。新しい摘みをテーブルに置き、小十郎のビールも前に置いてやる。そうして甲斐甲斐しく世話をしていると、
「俺の嫁になるか?」
小十郎が訊いてきた。
「あはは、いいね。仕事上指輪は出来ないから、時計でいいよ。どうせだったらお揃いがいいよねぇ」
エイプリルフールだと言う事もあり、冗談だと思った佐助は笑って流した。
「そうか」
穏やかに笑う男から触れるだけの口づけを落とされ、佐助は頬を染めて笑った。

後日、自分の給料の三ヶ月分ではきかない時計が小十郎から贈られ、佐助が飛び上がって驚く姿が目撃されたとか。



あ~、やっぱり書くんじゃなかった。と、後悔。
novelに移すのはやめておきます(汗) 彩葉のホントに気紛れな日記を読んでいる方だけのお楽しみです。

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