気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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ロマリア Lv.??~寄り道中~

寝室に即席の机をこしらえ、早速二人は仕事に取り掛かっていた。大臣の言葉とは違い、さすがは王族の寝室、かなりの広さだった。
「お前の部屋がいくつ入るだろうな?」
「フンッ、無駄に広いだけだ。使い勝手は悪い」
「ふふ、そうだね」
「おら、無駄口叩いてないで、サッサと新しい書類持ってこい」
そうして次を催促するソルの作業の早さに、カイは内心で舌を巻いていた。国内の治安に関する、差し障りのない内容の書類が集められているのだが、それに判を押すもの、そうでないものを一瞥するだけで把握し、もの凄い速さで処理しているのだ。これだけの処理能力があれば、ここでの足止めの時間もさほど心配するものでも無さそうだと、カイは書類を判り易く部門毎に分けていった。
そうして、一つの山の半分を一気に片付けたところで、カイが大きく伸びをした。
「ふぅ、一息入れようか?コーヒーでいいか?」
「あぁ」
手の速度を落とさず、ソルはどんどん書類の山を減らして行く。カイはそんな男を見直していた。ソルは今回のように物事を頼まれた時や、敵と対峙した時なども、一切のやる気を見せなかった。能力があるのにも関わらず、率先して動かないのである。それがシャンパーニの塔攻略辺りから変化があり、現在は王としての職務を真面目にこなしているのだ。カイは嬉しそうに笑った。
寝室の書類の山がなくなる度に、大臣は各部署を動きまわり、書類を掻き集めていた。が、それにも限界がある。問題が山積である外交関係の書類を回す訳にはいかないからだ。
「もう終わりか?」
余裕の体でニヤリと笑うソルのその能力に、大臣は蒼褪めた。書類が尽きてしまったのだ。だが、逆にこれが本物のロマリア王なら、どれほど強い国になるかとも、大臣は考えた。この数日、ソルは寝室に篭るだけではなく、城の警備の見回りや、城下町の治安にも目を配っていた。カイが言ったように、王としての責務をシッカリと果たしていたのだ。その為、兵士や国民から一目置かれる存在になっていた。
「何故…それほどの力がおありなのに……王よ…」
「アイツがうるさかったからだ」
「カイ殿…ですか。今、どちらに…?」
「徹夜明けで寝てる。これ以上の仕事が無いなら、俺も暫く眠る。ッたく、テメェも限度を考えろ。これじゃ割りに合わねェ」
ソルが大きな欠伸をしながら言った言葉に、大臣はホッと胸を撫で下ろした。作業に追われ、ソルがまだカイに手を出ししていない事を、即座に読み取ったのだ。お調子者の王様の補佐を勤める大臣は、苦労が多い分優秀だった。
「お疲れ様でした、ごゆっくりとお休み下さい」
言いながら頭を深々と下げ、その場を辞した後、大臣は最後の書類集めに奔走したのだった。

「よし、終了。ご苦労様、ソル」
「あぁ、坊やもな」
「疲れただろう?湯殿をお借りしようか。昨日覘かせて貰ったんだけど、凄く大きかったぞ」
カイが嬉しそうに風呂の準備を始めた。徹夜続きで多少感覚は鈍っていたが、今が夜だという事は分かる。
「あぁ、行こうぜ」
ソルはニヤリと口の端を上げて笑った。そうして、凝り固まった身体を解し、風呂からサッパリとして上がってきた。カイはベッドシーツを整え、いつでも眠れるように準備をし、ソルはそんなベッドの端に腰を下し、煙草を燻らせていた。
「もうそろそろ王の座をお返ししないと…私達の目的はここではないだろう?」
「あぁ」
「それじゃあ、明日カジノにいる前の王様に会いに行こう」
「その前に、やる事がある」
ソルの声音が低くなり、カイは手を止めて顔を上げた。煙草を焼き尽くすと、カイの顎に手を掛け、ソルは彼の唇を自分のそれで塞いだ。
「!」
何事かと、驚いて逃げを打つ身体を仰向けに押し倒すと、深く口づけた。拒絶して跳ねる身体を押さえ付けながら、巧みに着衣を乱していく。
「んん!……ソ、ソル!」
「暴れんな」
「嫌だ!放せ!!」
カイは力任せに男の胸板を叩いたり、腕をつねってみたり、必死にもがいた。だが、どうしてもその腕から逃れる事が出来なかった。カイは蒼褪めた。今までにも逃げ遅れて、こんな風にからかわれた事はあった。だが、その度に暴れて殴って逃げていた。逃げられていたのだ。
「今夜は逃がさねェ、大人しくしてろ」
しかし、それはソルが故意に逃がしていただけだった。今頃その事に気付いても遅い。カイは火照りだした身体に慄いた。その気にさせる術など、ソルは有り余るほど持っているのだ。
「カイ」
「あッ…は、放せ!」
耳元で名を囁かれ、カイの心臓が高鳴った。それでも快楽から逃れようと、必死にもがく。そんな彼の脳裏に黒髪のギアの言葉が蘇った。『もし、あの馬鹿から逃げ切れないと思ったら、どこででもキメラの翼を使え』と。ここは室内。どういう結果が待っているかは分かっていたが、カイは道具袋に震える手を伸ばし、キメラの翼を取り出して放り投げた。
「「!!」」
衝撃を覚悟して、カイはきつく瞳を閉じた。ソルは舌打ちし、そんな彼を庇った。ソルは強かに天井に頭を打ち付けた。ソルが頭を押さえて唸り、そんな様子を心配したカイは咄嗟に逃げ遅れてしまった。
「この、馬鹿が!!」
ソルの怒りに満ちた眼に、カイは竦み上がった。ガタガタと震えながら、ボロボロと涙を流した。
「……っ」
しまったと、ソルは渋面になった。ソルが怒鳴ったのは、怪我をしたらどうするのかと言う、彼の身を思っての事だった。だが、これは身体を強要しようとした男から逃れようとしての行動だ。それを責められれば、カイに逃げ道は無いのだ。
「…」
スッと僅かに身を引くと、カイが腕の中から震える身体を引き摺り、キメラの翼を持って逃げ出した。扉に辿り着き、ノブを回すが開かない。カイは泣きながら、ドアを何度も叩いた。背後で衣擦れする音が聞こえ、カイは他の逃げ道を探した。窓がある。萎縮して上手く動かない身体で、窓に向かおうとしたが、大きな手に腕を掴まれた。
「い…嫌だ…」
「…悪ぃ。もうしねェ」
「…う…、ご、ごめん…、今日は…アリアハンに、帰る…」
怯えるカイの腕を、ソルはかなりの未練を残しながら、そっと放した。自由になったカイは迷わず窓から身を躍らせると、キメラの翼を放り投げて、ソルの元から逃げて行った。
「……カイ」
ソルはカイの消えた窓を見つめ、苦渋に満ちた呟きを零したのだった。

嫌な終わり方ですか?
すみません、すみません、ごめんなさい、ごめんなさい;;
致すとマズイのですわ。寸止め御免!
ソルが可哀想ですけどねぇ…いや、カイも…
この行動…実は、失敗したと思うのです。
攻略Lv.13のシャンパーニの塔の後で、ゲーム自体はまだまだ序盤なのです。
でも、この王様イベントで行動を起こさないと、他で起こせる場所がなかったような気がするのです。ま、やろうと思えば、いつでもどこででも出来るのですけれどね、ぶっちゃけた話(笑) いや、だから、ギャグなんだって……ギャグで行こうよ…(もはや誰に言っているのか…)

さて、拍手絵の投票に参加して下さった方、
拍手して下さった方、有り難うございます!!
ホントに序盤でひと悶着の二人旅!
チャッチャと行こう、二人旅!!
えぇ、頑張ります!!!

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