気紛れ日記

Articles

管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


★リンク★
【お絵描き掲示板】
【鬼陽】(携帯サイト)

カラーズ de ホワイトデー

先月と同じ様に店先に可愛らしく包装された飴や、ポーチ、ミニハンカチ等が置かれている。甘いものが大好きなヴァイスは嬉しそうに飴やチョコをジッと見ていた。
「ヴァレンタインのお返しですか?」
「え……?何ですか?」
店員に声を掛けられ、ヴァイスが目を丸くした。聞き慣れない言葉が混じっていたのである。
「ヴァレンタイン…?」
「あら、ご存じないのですか?ヴァレンタインは……」
店員の説明を熱心に聴き、ヴァイスは困ったように眉根を寄せた。
「チョコを貰っていなかったら、どうしたらいいですか?」
「あくまでも気持ちです。日頃の感謝をお返ししたい、その気持ちが大切だと思いますよ」
「感謝……」
「日頃からお世話になっている方はいらっしゃるの?」
ヴァイスは余り感情を表に出さない彼の事を思い浮かべた。人を寄せ付けない彼が、実は思い遣りがあり、心優しい事をヴァイスは良く知っていた。そんな彼にはいくら感謝しても足りない恩がある。
「……家族でも、いいのですか?」
淋しそうに笑うヴァイスに、それでも店員は表情を崩さず、ニッコリと笑った。
「えぇ、大切な方ならどなたでも」

ヴァイスは家事やお遣いをして溜めた小遣いを使い、シュヴァルツの為にチョコ菓子を買って帰った。小遣いがほとんどなくなってしまったが、彼の為に何かが出来る事の方がヴァイスは嬉しかった。
「喜んでくれるかな?食べてくれるかな?」
そう考えるだけで心が躍った。そして、足も軽やかに帰路を急ぐ。そうして注意力が散漫だった為に通りで人とぶつかり、その拍子にプレゼントを落としてしまった。
「あ、ごめんなさい……ッ!」
即座に謝り、ヴァイスは驚いて目を見開いた。いかにも悪そうなチンピラだったのだ。
「痛ェ、痛ェ!骨が折れた!!」
「ごめんなさいだぁ?人に怪我させておいて、それだけか?」
「おい、慰謝料寄越せ」
強面の男達に囲まれてしまった。だが、ヴァイスはジッと男達を見上げ、ぶつかった男の腕に触った。
「何だ、テメェ……?」
「大丈夫、折れていませんよ」
「んな事分かってんだよ!いいから金寄越せ!!」
「………」
理不尽な要求に、ヴァイスは口を閉ざして男達を見上げた。シュヴァルツとは全くの正反対の人種のようだ。ヴァイスは真紅の瞳で男達を見据えた。
「僕はあなた達みたいな人は嫌いです」
大きな瞳が嫌悪に歪んだ。と、その時、
「ヴァイス、よせ」
鮮やかな金色の髪の青年が現れた。漆黒の服に身を包んだ青年はヴァイスと同じく、真紅の瞳で男達を射抜いた。凍り付くような眼で睨まれ、男達が一瞬怯んだ。だが、せっかくのカモをそれで逃がすような気質の人間ではない。
「保護者か?ちょうどいい、こいつに付けられた傷の……」
シュヴァルツは持っていたケースを腕を押さえる男に手渡し、ヴァイスの手を握ってやった。
「A級ランクの首だ。くれてやるから失せろ」
「す、凄ぇ!Aランクだったら、暫くは遊んで暮らせるぜ」
「賞金稼ぎか。へへ、だったらもっと……」
キィィ…ン、と澄んだ音を響かせて、シュヴァルツが真紅の刀身の剣を目も止まらぬ速さで抜いた。
「首と胴が繋がっていたかったら、今すぐ失せろ」
表情を一切動かさずに見据える彼から殺気が吹き付け、男達が恐怖に慄き、震え上がった。
「シュヴァルツ、僕もよそ見をしていたんです。ごめんなさい」
「ちゃんと謝ったのか?」
「はい。でも、……。僕はこの人達は嫌いです」
「そうか、残念だったな」
ヴァイスが哀しそうに瞳を伏せ、シュヴァルツの真紅の瞳が底光りした。止めの一言に、男達が脱兎の如く逃げ出した。それでもしっかりと首を持って行くだのだから、いい根性をしている。シュヴァルツは足元に落ちている箱を拾い上げ、ヴァイスへ渡してやった。
「……汚れてしまいました」
落とした時に箱が壊れ、土で汚れてしまっていたのだ。シュンと俯き、ヴァイスは丁寧に土を払った。
「新しいのを買いに行くか?」
「いいえ、これでいいです。さ、帰りましょう」
「……そうか」
無理に作った笑顔が痛々しかった。

家に戻って来ると、ヴァイスはシュヴァルツの手伝いをしながら、買って帰ったプレゼントをどうしようかと考えていた。汚れてしまった物を渡す気にはなれず、だからと言ってシュヴァルツに買ってもらったのでは意味がない。今日の稼ぎもチンピラに渡してしまったのだ。
(A級ランクってどれくらいの賞金が出るのだろう?プレゼントも買い換えないといけないし……沢山お小遣いを溜めないと……)
考えれば考えるほど、涙が出そうになった。
自分の不甲斐無さが情けなくて、悔しくて。

食事を終わらせても、眠る体勢で寛いでいても、ヴァイスの気分は沈んだままだった。そんな青年を引き寄せ、シュヴァルツは優しく抱き締めてやった。
「中の物も駄目だったのか?」
「いいえ、お菓子は大丈夫でした」
「そうか。お茶を淹れる。持って来なさい」
「……はい」
シュヴァルツがお湯を沸かしている間に、ヴァイスは包装したままの箱を持って来た。
「まだ開けてもいなかったのか?」
「はい。だって、これは……」
「?」
言葉に詰まってしまったヴァイスに、シュヴァルツは怪訝な顔をした。すると、大きな真紅の瞳に一杯の涙が溢れてきた。ずっと我慢していたのだ。肩を震わせて涙を零した。
「ぼ、僕…シュヴァルツにプレゼントしたくて……」
「私に?」
「いつものお礼をしたかったのです」
「…」
世の中ではホワイトデーと呼ばれる日。大切な人へ感謝の気持ちを籠めたプレゼントのお返しをする日だ。シュヴァルツはそんな心優しい青年の髪をそっと撫でてやった。
「礼など要らん。私はお前が傍にいてくれているだけでいい」
「それでも僕はプレゼントしたかったのです」
「あぁ、有り難う」
シュヴァルツが柔らかい笑みを浮かべ、ヴァイスは温かくなった胸を押さえた。彼との感情の違いに気付いてはいたが、それでも余り表情を崩さない彼が嬉しそうに笑ってくれる事が嬉しかったのである。
「開けておいてくれ。お茶を淹れてくる」
「はい」
少し箱が潰れ、包装紙が汚れてしまっていたが、中のチョコ菓子は綺麗に並んでいた。カップを二つ持って戻って来ると、
「美味しそうです」
嬉しそうに笑うヴァイスにつられ、シュヴァルツの口元にも笑みが浮かんだ。ヴァイスは甘いものが大好きなのだ。
「食べていいぞ」
「え?いいのですか?嬉しいです」
「ふふ、あぁ」
本当に幸せそうに笑っていたヴァイスが、ふと笑みを引っ込めてシュヴァルツを見つめた。
「どうした?」
「僕の方がシュヴァルツに喜んで欲しかったのに……シュヴァルツはいつも僕が嬉しい事をしてくれるのですね」
「ヴァイスが嬉しいと私も嬉しいからだ」
言われてヴァイスは気付いた。プレゼントを買った時、シュヴァルツの喜ぶ顔を思い浮かべるだけで心が躍っていたのだ。
「僕もそうです。シュヴァルツが笑ってくれると、僕も嬉しいです」
「そうか」
ふわりとシュヴァルツが笑った。大切な人が嬉しいと、それだけで心が温かくなるものだ。胸を押さえながらチョコ菓子を口の中に放り込み、ヴァイスは幸せそうに笑った。

またしても「de」シリーズッ!今回はカラーズで!!
一日遅刻してますけどね、昨日の晩は書いている途中で寝てしまいました;;
何が言いたいのか結局解らず仕舞いなSSでしたねー……ふーむ、難しいです…

お絵描きで黒ソルを描いたので、カラーズのお話を書きたくなったのですよ。黒ソル―ルジェ―、青ソル―カロン―はお預けでしたが…。この二人はまだ性格付けがしっかりと出来ていないので、出す訳にはいかないと言うのもあるのです。それとも、こういうSSで登場させて、性格付けしていく手もあるのでしょうか…?困るー…神様、降りてきて下さいー…

さて、携帯版の拍手絵にあと二枚、白カイ―ヴァイス―と黒様―シュヴァルツ―を追加して、カラーズを勢揃いさせたいかも知れません(笑) 気合入れて白と黒を描こう!

拍手して下さった方、有り難うございました!
携帯版では半裸の黒ソルを見て下さいましたか?
PC版のタイトルは▼黒いお兄さんは好きですか?▼なのですよ(笑) アホだー…


えぇっと、こんな所で私信(笑)
M様へ 
私信返しです、若!般若の「若」なれど、若殿の「若」で!!ちゃんと拝見致しましたよvv さすがですvv とってもセクシーな旦那様に惚れ惚れ致します!足軽ではその足元にも及ばず……切腹するしか!(笑) いえ……が、頑張ります!頑張らねば!!

Paging Navigation

Navigations, etc.

About This Website

/