気紛れ日記

Articles

管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


★リンク★
【お絵描き掲示板】
【鬼陽】(携帯サイト)

ラダトーム Lv.?~ドムドーラ Lv.?

ラダトーム北の洞窟から戻り、試しに南下する事にした勇者一行。
「陸路は危険過ぎるよ。船で行こう」
陸の魔物の強さにカイが表情を曇らせた。その考えは甘いと、口で言っても恐らく無駄だろう。ソルは彼の言う通り、船に向かった。そして、―――
「何で三回も攻撃して来るんだ―――ッ!!!」
カイが悲鳴を上げた。強敵の名はクラーゴン。大王イカより強化されたモンスターで、生命力が高く、痛恨の一撃と3回攻撃がかなりの脅威である。
「さすがに3杯出て来ると痛ェな」
「イカの数え方なんてどうでもいいよ!モンスターなんだから!!」
「ククク、気付けるくらい余裕じゃねェか」
「……ソル、この状況で私に余裕なんてありませんよ」
余裕の表情を崩さない勇者に冷たい視線を投げ、カイは鋼の鞭を握り締めた。クラーゴンは高位の魔物に当たる。それでなくてもレベルが追い付いておらず、通常攻撃自体が痛いのだ。3回攻撃の内、1回でも痛恨がきたらその時点で戦闘不能に陥ってしまう。カイは守備力増強の呪文の詠唱に入ろうとした。意地悪をし過ぎたかと、ソルがカイを庇って前に出た。
「何を…!」
「大型が出て来た時は、眠りの杖を使え。鉄則だ」
「は、はい!」
カイは即座に眠りの杖を取り出して掲げた。稲妻の剣を握り締め、ソルが攻撃に出た。眠らせてもそのターンで目を覚まし、攻撃にまで移ってくるのがこのモンスターの怖いところだ。
「眠らせ続けろ!」
「……はい!」
ソルは稲妻の剣を掲げ、呪文効果で全体攻撃を仕掛けた。そうして苦戦しつつ、クラーゴン達をやっつけた。カイは地図を広げ、現在地を確認した。航路も危険だと感じたのだ。この世界はどこに行こうとも危険には変わりないのだが、少しでも安全な道を探すカイが可愛く、ソルは口出しせずに彼の好きなようにさせていた。
「あれ…?この近くに町があるよ。行ってみよう」
「……廃墟、じゃねェな。あぁ、行くか」
「廃墟??」
「いや、大丈夫だろ。行きゃ分かる」
何かを思い出そうとする仕種をしつつ、船を下りた勇者を追い駆け、カイは地図を見た。ちょうど東へ行った辺りに砂漠の町がありそうだ。だが、少し進んだところでソルが足を止めた。
「そろそろ休むぞ」
「え、どうして?もうすぐ町に着くのに……」
「体内時計が狂ってるぞ、坊や。しっかり管理しとけ」
「あ……地上ではもう夜か」
言われて、カイは時計を取り出し、今が深夜である事に気付いた。気付くと襲って来る疲労感。北の洞窟に行き、そのまま南下して来たのだ。緊張の連続で疲労が積み重なっていたのである。
「うん、今日はここで野宿しよう」

火を焚くのは危険だが、この地底では日中の熱がなく、夜は冷え込む。マントに包まると、カイは横になった。だが、冷たい地面に体温を奪われ、竦み上がって小さくなった。そんな彼を引き寄せ、ソルは口の端を上げた。
「寒いのか?」
「ん…でも、大丈夫……って、何をする気だ?」
「ククク、温めてやるよ」
「ちょ……ソル、こんな所で…!」
カイはカッと赤くなり、ソルの腕の中から逃れようとした。だが、既に両手を封じられており、圧し掛かっている男の口づけで徐々に力が抜けていく。首筋に舌を這わされると、爪先からゾクリとした感覚が這い上がり、身体が震えた。と、その時、ソルが顔を上げて、立ち上がった。
「?」
助かったと思った。だが、ソルは稲妻の剣を掴むと、その場を駆け出した。魔物だと遅れて気付いたカイは、武器を握り締めた。しかし、―――
「た、立てない……」
身体に力が入らなかった。がくがくと膝が震え、立ち上がる事さえ出来ない。そうしている間にも、恐らく稲妻の剣を使ったのだろう。派手な爆音が轟いた。一人で地底の魔物の相手をするのは無謀だ。カイはソルが無事で戻る事をひたすら祈った。

暫くすると、ソルが戻って来た。傷を負ってはいるが、深い怪我はないようだ。ホッと安堵した顔を上げて、カイはソルを抱き締めた。
「……坊や?」
珍しい彼の行動にソルは軽く目を瞠り、その背中を撫でてやった。
「無事で良かった。役に立たなくてごめん……」
「大した事じゃねェ、心配するな」
安心させるように、ソルはそっとカイの額に口づけた。そして、先ほどの続きをしようとした時、
「ソル、外では冗談でも私に触らないでくれ。何かあった時に動けませんでしたじゃ、話にならないだろう?……って、ソル?ちゃんと聴いているのか?」
またしてもお預けを喰らい、ソルは脱力したように突っ伏した。
「……今から町に向かうぞ」
「休めと言ったのはお前だろう?……もしかして、するのが目的で休むって言ったのか?」
「半分正解だ」
「この馬鹿っ!!今の私達には余裕なんて無いんだぞ!!!」
真っ赤になって怒り、カイがマントに包まって眠る体勢に入った。そん彼を抱き寄せ、
「暴れんな。くっついてた方が温かいだろ」
ソルは小さく苦笑した。
「変な事したら、殴るからな」
「外はお預けなんだろ?しねェよ。その代わり、明日町に入ったらヤらせろよ」
「………馬鹿っ!」
次は羞恥に真っ赤になったカイの髪に口づけ、ソルは辺りに結界を張った。
「ゆっくり休め」
「うん」
ホッと安堵の息を吐き、カイはソルの腕の中で眠りに落ちた。慣れない闇の世界と強い魔物達で、カイの疲労は大きかった。ようやく肩の力を抜いた彼を抱き締め、ソルは小さく笑った。

う~ん、ラダトームの周辺でクラーゴンが出て来た事にビックリです。もっと東よりだったような気がしていたので、死ぬかと思いましたよ(実話です/笑) 移動よりもまずはレベル上げ&路銀稼ぎに専念した方が良さそうですねェ…。
あ、今回ストーリーで夜とか言ってますけれど、地上では何日徹夜してんだ?くらいの勢いで動き回っていたので、スルーして下さいね。「外ではお預け」このネタも書こうと思っていたものの一つです(笑) 少しずつ消化していっています。嬉しいですー…vv

さて、拍手して下さって有り難うございました。
先月から生活が少し変わり、今月から土曜出勤が変わり、そしてまたしても浮気に走り(笑)続きが滞り気味ですが…進んで行きます!

Paging Navigation

Navigations, etc.

About This Website

/