気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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アリアハン LV.?~アレフガルド Lv.?

ゾーマの存在を知って勇者が取った行動。宿に一泊。新たな魔王討伐などに精を出すはずも無く、バラモスを倒した褒美を手に入れたのである。この男にやる気の欠片も無いのは、今に始まった事ではない。
まだ暗い内から起きだしたカイは隣で眠るソルの額に口づけ、起こさないようにそっとベッドを出た。そして、少しの路銀と必要最小限の道具を持って宿を後にしたのである。そして向かった先は、町の外で待機しているラーミアの所だった。
「ラーミア、ギアガの大穴まで運んで欲しい」
カイが硬い口調で言った。ソルは動かない。いや、これ以上あの男に望むのは酷と言うものだろう。勇者としてバラモスを倒した。それだけで充分である。
「私一人でも行かなきゃ…」
カイはラーミアの背に乗り、ギアガの大穴へ向かった。そして、祠の前で下ろしてもらうと、
「有り難う、ラーミア。あなたはアリアハンへ戻って、ソルの力となって下さい。バラモスが残した爪痕は大きい。きっとソルを必要としている人々が沢山います。その時に、あなたがソルを支えて下さい」
そっと大きな嘴に触れながら、ラーミアに言い聞かせた。遥か未来のラーミアは人の言葉を話すと、ソルが言っていた。心を籠めた言葉なら届くかも知れない。カイは祈る気持ちでラーミアを見上げた。すると、高く一声鳴いてラーミアが空へ舞った。東へ向かう大きな鳥を目で追いながら、カイは思わず熱くなった目頭を押さえた。
「有り難う」
東。アリアハンへ戻ったのだ。

感慨に耽ってばかりではいられない。カイは洞窟内に足を踏み入れた。すると、以前来た時と様子が変わっていた。辺りには不気味な霧が立ち込め、そして、――
「大変だ!もの凄い地響きがしてひび割れが走ったのだ。何か巨大なものがこの大穴を通って行ったようなのだ!そして私の相棒がこの穴に……ああ!」
警備兵が崩れ落ちた。ゾッとするほどの深い大穴。まるで地獄にまで届くかのような暗闇が広がり、大きな裂け目が出来ていたのだ。
「…っ」
一人で行くと決めたのだ。今更引き返せない。カイは意を決すると、大穴へと身を躍らせた。

重力に逆らう事無く急降下し、どれくらいの時間が経過したのか、視界が開けた。カイは懐から取り出した封雷剣を振り、雷を打ち出した。吹き上がる風にふわりとマントを翻し、華麗に着地した。
「……ここは?」
降り立った先は船着場のようだった。小さな小屋へ入ると、人がいる。カイは知らず、安堵の息を吐いていた。
「おや?またお客さんか。そうか!あんたも上の世界からやってきたんだろう!ここは闇の世界、アレフガルドって言うんだ。覚えておくんだな」
「……闇の世界…アレフガルド」
反芻しながら、酷く寒いところである事に気が付いた。太陽の光の無い大地なのだ。カイは先に進み、大きな船を見つけた。見上げていると、子供が興味津々に近付いて来た。
「ここから東に行くと、ラダトームのお城だよ。あのね、父さんが船なら自由に使っていいって」
「有り難う」
何にしても、立ち止まっていては始まらない。カイは船に乗り、東へ向かった。そして、対岸へ船を寄せて大地に降り立つと、とりあえず地図を広げてみた。だが、今どこにいるのか分からない。どうやらここは地図に載っていないところのようだ。
「……ソルなら……」
ふと、情報を頭に買っていた勇者ならどうするだろうかと、そんな考えが頭を過ぎった。だが、すぐに頭を振ってソルを思考から追い出し、カイは先へ進む事にした。
「…」
一人で行動する事の、何と心細い事か。緊張感でカイは酷く体力を消耗していった。暫く歩いていると、マドハンドが6匹現れた。
「鋼の鞭で…っ!」
数は多いが、大した敵ではないと踏んだ。だが、それが失敗だった。仲間を呼び、どんどん増えていく。そして、呪文攻撃に切り替えようとした所で、大型モンスターの大魔神を呼び寄せられてしまった。動く石造よりも強い上級の魔物だ。
「駄目だ、闘えない!」
カイは逃げ出した。脚を活かして必死に走った。そして、歯軋りする。ずっと勇者に頼っていたのだと、ここに来て痛感したのである。悔しくて、情けなくて、浮かぶ涙を乱暴に拭い、魔物達を振り切って逃げた。そして、町にどうにか辿り着く事が出来た。

「ラダトームの町にようこそ」
ホッと安堵の息を吐き、カイは宿屋兼酒場へ向かった。荷物を部屋へ運び、腹ごしらえと情報収集の為に酒場にやってきた。カウンター席に座ると、店主が水を出してくれた。
「酷くお疲れのようだね。大丈夫かい?」
「えぇ、大丈夫です。何か食べるものを…」
「はいよ、待っとくれ」
右も左も分からない新しい土地。そして、殺気溢れる大地。強い敵。カイを消耗させる要素は山のようにあった。
(大丈夫、すぐに慣れる。一人でも大丈夫…)
そうして言い聞かせていると、ウエイトレスが料理を運んで来てくれた。カイはそれとなくバラモスの事を話してみた。
「勇者が魔王バラモスを倒したですって?でも、バラモスなど大魔王ゾーマの手下の一人に過ぎませんわ」
呆れたように笑うと、仕事へ戻って行った。カイは呆然とするしかなかった。必死で倒したバラモスがただの手下だったのだから。料理に手を伸ばしながら、そう言えばソルがザコザコと連発していたような、とふと思い出し、カイの口元に笑みが浮かんだ。
「あんた、大魔王の事を知りたいのか?」
「え……?」
食事をしていると、一人の若い男が酒が入ったグラスを二つ持ってやって来た。一つをカイの前に置き、振る舞ってくれた。先に頼んだグラスは空になっており、どうやら見計らって来たようだ。
「俺の奢りだ、飲んでくれ」
「有り難うございます、頂きます」
ニッコリと笑みを浮かべて、グラスに口を付けた。
「ここは初めてか?」
「えぇ、実は…」
一人だという事と、自分の酒の許容量を知っている為、カイはゆっくりと時間を掛けてグラスを空け、話し掛けてきた男から情報を得る事にしたのだった。

だが、時間にして約半時が経った頃――
「その勇者の判断はある意味正しいかもなぁ…。あんたも無駄に命を落とすより、もっと他に楽しい事を見付けろよ」
男がニヤリと質の良くない笑みを浮かべた。身の危険を感じる笑みに、カイは警戒心を強くした。常に勇者から似たような気配を感じていたのだ。それが、カイにとって掛け替えの無い経験となっていた。良くも悪くも、勇者である。
「いえ、私は魔王を倒す為にこの世界に来ました。それが私の意志です。失礼します」
カイは部屋に戻ろうと、スッと席を立った。だが、そこでくらりと眩暈がした。立ち眩みかと思ったが、違う。
「大丈夫か、あんた?」
「……ぁ」
気遣う声が遠くに聞こえ、一気に酔いが回ったかのような感覚だった。鼓動が煩く、ドッと全身から汗が噴き出した。
「―――――」
男が何かを言っているが、カイには聞き取れなかった。辛うじて身体を支えていた膝がかくんと折れ、崩れ落ちそうになった。それを支えたのは、酒を振る舞った男ではなく――
「何を飲ませた、テメェ」
ここにいるはずのない低い声の男の逞しい腕だった。

オリジナル設定は長いですな。普段も長い?そうですか…(笑)
何となく、それとなく状況を読んで下さいましたか~?
読んで下さった方は、待っていて下さいね~(笑)

さて、拍手して下さった方、有り難うございました!!
チャッチャと進みます!えぇ、頑張ります!!

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