気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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アクセル大好きです② Lv.?

静まり返った街を歩き、アクセルの屋敷へと向かう。ふと、前方が騒がしい事に気が付いた。深夜にも拘らず、屋敷の前でじいが騒いでいるではないか。カイが駆け寄り、声を掛けた。
「どうしました?」
「わし、アクセル会って言う。町の者どう思ってるか。わしここ通りたい。あなたも頼んで」
だが、――
「アクセル様はお休みだ。帰れ、帰れ!」
門番が邪魔で入れない。諦めようとしたカイの傍をソルが通り抜けた。
「しゃあねェな…」
指をぽきぽきと鳴らしながら楽しそうに笑う勇者に、賢者は即座に反応した。
「仕方がないから、明日また来よう!」
「うぉ?」
後ろ髪を思いっきり引っ張り、勇者を引き摺って逃げるようにその場を離れた。

「何をする気だ、まったく!こんな現状で騒ぎを起こしたら、余計にアクセルさんへの不満が大きくなってしまうじゃないか!」
「坊や」
「……え?」
ソルの声が低くなり、カイは辺りを窺った。そして、気付く。
「…誰かいる…?」
「付いて来い」
「はい」
完全に気配を殺して動く男に舌を巻きつつ、カイは呼吸を合わせて後を追った。牢の裏手に人の気配がする。
「……してしまうのはどうだろう?」
「しかし、それでは余りにも……」
「だが、このままでは……」
声が小さくて聞き取れない。カイがそっと足を踏み出したところに、木の枝が落ちていて、町の人に気付かれてしまった。やれやれと溜め息を吐き、ソルは何やら打ち合わせをしている町の人の方へ向かった。
「こうなったら革命を起こすしかなさそうだ。あんた達、止めても無駄だぜ。オレたちゃやるって言ったらやるんだ!」
「アクセルのやり方はあんまりです!僕達はもう耐えられませんよ!」
「この話……他言はなりませんぞ!」
いきり立つ町の人達の気を静める方法など見付からないが、何とか説得しようとするカイの腕を引き、ソルは町の外に出た。
「放せ!どうして止めないんだ…!」
「いいから呪文を唱えろ」
「良くない!良くないよ、ソル!!今ならまだ止められる!アクセルさんと話を…!」
鋭く舌打ちし、ソルはカイの唇を自分のそれで塞いだ。そして、慌てて逃げようとする華奢な身体を引き寄せると、脚を引っ掛けて押し倒した。カイが恐怖に竦み上がる。
「文句を言うなと言ったはずだ。これ以上言うならマジで鳴かすぞ」
「……卑怯者……!」
「ここで抱かれてェのか?」
「うぅ……アクセルさんを、助けに行く……」
紺碧の瞳に涙を浮かべながら、だがそれでも意志の強い眼差しを返すカイに、ソルはやれやれと溜め息を吐いた。
「ここで助けて逃がせば、あの野郎は一生間違いに気付かずに同じ事を繰り返す。この町の奴らにも、一生恨まれたままだ」
「……でも…革命だなんて……。もし、もしも命を奪われたら……」
「あいつは話を聴く耳を持ってるだろうが。もし、頭の緩い馬鹿がこの町にいて、あいつが怪我の一つでもしていたら好きなだけ暴れろ。その時は止めねェ」
「……これは、アクセルさんの為でもあると言う事か……?」
涙を拭いながらカイが尋ねた。ようやく真意に気付いた彼に、ソルはフッと笑みを浮かべ、そっと額に口づけた。
「坊や、呪文」
ソルの要求に、カイは何も言わずラナルータを唱えた。

町に入ると、雰囲気が変わっていた。入り口を警備している兵が嫌な笑みを浮かべた。
「ここはアクセルバークの町。しかし、もうアクセルだけの町ではないのだ」
そして、町の中にも警備兵がうろついている。
「私はこの町の兵士。よそ者はサッサと町を出て行くが良い」
「……ソル、アクセルさんに会いに行こう」
「あぁ」
嫌な予感がしたのか、カイが速足で屋敷に向かった。だが、――
「ここはアクセルの屋敷。しかし、彼は今この中にはいないぞ。ふっふっふ」
警備兵の言葉に絶句し、カイが立ち竦んだ。そんな彼の腕を引き、ソルはある建物へ向かって歩き出した。
「ここは牢屋だ。本当はアクセルが悪人を捕らえる為作ったそうだが……自分が入れられるとは皮肉なものよな」
敵意を剥き出しにする警備兵達に嫌悪感を露にするカイの気持ちは分かるが、ソルは無言で彼の腕を引いて中へ進む。牢の前に行くと、気付いたアクセルがこちらにやってきた。
「あ、旦那。皆の為と思ってやってきたんだけど、この有様だよ。あっ、そうそう。俺の屋敷の椅子の後ろを調べてみてよ。俺はもう少しここで何が悪かったのか考えてみるよ。町の人達もいつか許してくれると思うんだ。その時にまた会いに来てよ」
そう笑って言うと、アクセルは牢の奥に行ってしまった。そんな彼を見ていられずに、カイが牢の鍵を開けて中に入って行った。
「気持ちは嬉しいけど、俺様はもう少しここで何が悪かったのか考えたいんだ。きっと町の人達も許してくれると思うから。その時にまた来てよ」
「………」
「泣かないでよ、カイちゃん」
「あなたをこんな目に遭わせた人達を、私は許しません。ここまで町が成長したのは、あなたがあってこそなのに…。それを……!」
瞳の奥に黒い炎を宿すカイに、アクセルはどう言葉を掛けるべきか迷った。すると、様子を見ていたソルがカイの手を掴み、後ろに下がらせた。
「また来る」
「うん、有り難う。待ってるよ、旦那」
踵を返し、牢を出ようとしたところで、ソルが足を止めた。
「……ソル?」
入り口を塞いだまま動きを止めた男の逞しい背中を見上げ、カイはその変化に気が付いた。そして、奥で腰を下していたアクセルが心配そうに腰を上げた。
「どうしたの、旦那?」
「良くやった」
「……っ!う、うん。あはは……ちょっと、張り切り過ぎたみたいだけど、俺は後悔してないよ。だから、ここで待ってる」
「あぁ、またな」
ソルは振り返らなかった。カイとアクセルがボロボロと涙を流している事に気付いていたからだ。
土地も整備されていない荒地だった。雨風を凌ぐ建物すらなかったのだ。町を作れと言ったソルの言葉を信じて、これだけの物を作り上げたのだから、それだけで大したものだ。

ソルはカイを連れて牢を出ると、屋敷へ向かった。中にはじいがいた。
「ついに革命起こった。アクセル牢屋の中……。なんて事……」
アクセルの言葉に従い椅子の後を調べると、イエローオーブがあった。これで全てのオーブが揃った。
「私達の為に大金を使って、買い取ってくれたのですよ。そんな優しいアクセルさんを…」
悔しそうに唇を噛むカイの顎に手を掛けて上を向かせると、そっとソルが口づけを落とした。じいからは死角になっていたが、カイが真っ赤になって逃げた。それを小さく笑い、
「行くぞ、坊や」
ソルは歩きだした。
「この、変態ッ!!!!」
罵声を浴びせながらカイもソルに続いて屋敷を後にした。警備兵のうろつく町を見たくないのか、カイが外へ向かって歩き出した。ふと、ソルは足を止めて牢の方へ視線を投げた。そんな男の様子に気付いた町の娘が口を開いた。
「今にして思えば、アクセル様の時代の方が良かったような気がしますわ」
「…」
見るからに窮屈そうな町へと変わってしまったアクセルバーク。ソルは再び歩きだし、今度こそ振り返る事無く町を後にしたのだった。

愛ゆえに、長……ッ!!(笑)
調子に乗って書き過ぎましたねェ。しかし、相変わらず締めが難しいです。空っぽの頭で必死こいてもカラカラと音が鳴るくらいで、いい表現の一つも出てこない。もっと勉強しなくては!

さて、家でちょっとしたゴタゴタがあって、ここ数日机に向かえなかったのが辛かったです。まだ落ち着いていないので、また更新が停止してしまうかも知れません…。多分早くて来月、再来月…もしくは流れるかも知れませんが、今の内に書いておこうと思いました(笑)

しかし、上記の事といい、色々と鬱憤も溜まっていて爆発寸前です。なので、来月、土日を利用してリフレッシュ旅行に行きます。美味しいものを食べて、温泉に浸かって、ゆっくりと日々の疲れを根こそぎ落としてきます。これも毎日日記を書いている訳ではないので、先に書いておこうと…(笑)

さて、拍手して下さった方、有り難うございました。
元気出して頑張ります!

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