気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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DQⅢ二人旅 de お正月

雪雲が空を覆い、しんしんと降り頻る天からの贈り物を見ながら、カイが溜め息を吐いた。それを見逃さなかったソルが呆れたように尋ねた。
「何だ、悲しそうな顔して…?」
暖炉の前で寛いでいる男に向き直り、カイは口元に笑みを浮かべた。だが、その目は一つも笑っていない。
「ソル、年が明けてしまいましたね」
「あぁ」
「私がバラモスだったら、もう世界征服を終えて、祝宴でも開いていますよ」
「だろうな」
人事のような勇者のその態度に、賢者の怒りが沸々と湧き上がる。
「やる気があるのですか、駄目勇者」
「あるぜ」
「ある?あなたのどこをどう見ても、やる気の欠片も見えませんが?」
嫌味を乗せて噛み付くカイに、やれやれとソルは肩を竦めた。
「お前とこうしてここにいるだろ」
魔王打倒の旅に出ている事自体がやる気の表れである。
と、これが勇者の言い分だった。カイは一つ大きく息を吐き出した。
「…たらい回しが嫌なのですか?」
ネクロゴンドへ行く為の道具集めの途中で、彼等の旅は止まっている。そこさえ越せば、バラモス城まであと少しなのだ。
「…桜の季節になれば、丸一年ですよ…」
フゥッと溜め息ばかり吐く賢者に、勇者は口の端を上げて笑った。
「心配するな。それまでにはお前を抱く」
意地の悪い笑みを浮かべる勇者に、羞恥よりも怒りが湧いた。
「この馬鹿ッ!!」
「痛ェな、何だ?」
「何だ、じゃない!目的が摩り替わってるじゃないか!だからやる気がないように見えるんじゃないか!!」
「あるじゃねェか。ヤる気…」
ニヤリと笑うソルに会心の覚醒必殺技を叩き込み、
「今年の春までにバラモスを倒さなかったら、縁を切るからな!!」
カイが目標を叩き付けた。

今年の抱負
 ――春までにバラモス攻略――

「しゃあねェな。じゃあ、ヤる時坊やはガーターベルトを……冗談だ、剣を下ろせ」
「ソルがそんなだから……ッ!!」
「泣くな」
「泣きたくもなるわ、駄目勇者ッ!馬鹿ソルッ!!」
放電しながらボロボロと涙を零す賢者に、失敗したと勇者は頭を押さえた。彼が一番辛いのは、他の誰かからソルを『駄目勇者』と蔑まれる事だった。モンスターと遭遇した時の勇者のその変貌振りを知る者は、カイしかいない。その強さを伝えようにも、安全な街中でのソルはやる気を見せず、一言で言うと、冷めているのだ。無口でぶっきら棒だが、根は優しく、頼りになる。カイがそう説明したとしても、誰も信じない。それが悲しかったのだ。
「悪ぃ。春までに魔王をぶちのめせばいいんだろ」
「……出来ますか?」
「あぁ、多分な」
次はソルが溜め息を吐き出した。面倒臭がりはいつもの事。カイはホッと安堵の息を吐き出した。
「ふふ、頑張りましょう」
「やれやれだぜ」
話がまとまったところで、カイがポンと手を打った。
「ソル、明けましておめでとうございます。今年もどうか宜しくお願い致します。少しでもあなたの役に立てるように、これからも頑張ります」
「あ?あぁ」
「もぅ…挨拶くらいちゃんと言って下さいよ」
不満顔をするカイだが、漸くその顔が明るくなった。そんな彼を引き寄せ、そっと額に口づけを落とす。唐突な触れ合いに、サッとカイが頬を染めた。
「ソ、ソル?」
「よろしく頼む、カイ」
「……はい」
逞しい背に腕を回し、カイは少しでも男の負担を軽く出来るように努めようと、心の内で誓ったのだった。


明けましておめでとうございます!
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、今年の抱負を書きました。
久々の二人旅でしたが…今彼等がどこにいるとか、細かい事はスルーして下さいね。何しか…停止して約半年ですが、ご存知の方、大変お待たせを致しました。桜が舞うまでに、打倒バラモス!!そして、褒美(笑) 文章にするとかなり時間が掛かるので、なるべく早く再開致します。

あれもこれもやりたくて自爆しそうな勢いですが――カラーズも書きたいしね――途中で止まっているものの中で、二人旅が凄く気になる…と言うか、今後の事もあるので早く終わらせたいのです。あと少しで地上編が終わるので、せめてそこまでは行くべきでしょう。
頑張ります。

さて、拍手して下さった方、有り難うございます。
今年もどうぞ元気を分けてやって下さいませ。
有り難うございました!!

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