気紛れ日記

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管理人:竜胆 彩葉(りんどう さいは)


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頑張れ!

自分で自分を応援…
む、空しいけれど、奮い立たせなければ!!
平日の棚卸しは気を抜くとシャレにならないくらい遅くなるので、常に高速処理!定時ダッシュは無理だけど、12時間労働になる前には帰る!!絶対帰る!!!お、言い切った(笑)
明日(既に今日ではあるのですが)ようやくGGXXACの発売日ですね!
今までに比べて、カイの嫁度が格段に上がった作品だと思います。
ソルの旦那度…と言うより助平度が上がって、面白いとも言う…特に騎士。
目標!!一回だけでいい。贅沢はこの際言わん。騎士のドラゴンインストール:殺界での勝利演出を見る事!!
やっぱ騎士団時代は長髪なんですよね。今はヅラでしょうけど…。あ、ヅラじゃなくて、付け毛、ウィッグだっけ?(笑)
短髪でも長髪でも、旦那様は男前ですvv

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ちょっとひと息

毎回長い文を読んで頂いているので、この辺りでひと息を…
入れる必要ないから早く続きを書けと言われそうですな(笑)

途中までは書いていたのですが、眠気に負けてしまいました。
明日は棚卸し二日前、GGAC発売の二日前とも言う……
日記が書けるかどうか非常に謎…ですな;;
さて、このゲーム日記…予定が崩れ過ぎて涙が…トホホ…
ACが我が家にやって来たら、きっとSFCは奥にしまわれてしまい、今まで封印されてきたPSⅡが、出番だとばかりにフル活動してくれるでしょう。
まぁ、それはそれで楽しいからいいのでしょうけれどね(笑)
彼の優しくなったセリフを堪能して、ヤツとの掛け合いを思う存分堪能して、新技をこれでもかと言うほど使ってやりたいです。

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東の草原 Lv.?

スー東の草原へアクセルを連れて行くのだが、
「ちょっと待って――――ッ!!俺様、死ぬしかないじゃん!!!」
彼の装備は初期装備。レベルも初期のまま。そんな状態のまま移動呪文でスーまでやって来て、船に乗り込んだのである。一撃でも食らえば、即死だ。
「旦那、カイちゃん、助けて――――ッ!!!」
「泣き言言うな!!根性で避けろ!!!」
「ソルッ!いくら何でも無茶だっ!!」
「そうだよ!!無茶苦茶だ、旦那ッ!!!!!」
二人に反論されソルは口を曲げたが、進路を戻す気は毛頭ないようだ。防御していても、今のアクセルでは海の敵の攻撃に耐えられないだろう。またもや運任せ。神頼み。だが、アクセルの運が強いのか、ソルとカイの運が悪いのか。アクセルは一撃も攻撃を食らう事無く、無事に東の草原まで辿り着いたのだった。
「わしここに町作ろう思う。町あればきっと皆喜ぶ。商人いないと町出来ない。アクセルここ置いていく。お願い聞いて欲しい」
『はい』or『いいえ』
「あぁ、いいぜ」
「それほんと?アクセル旅諦める。骨ここに埋めるかも。それでいいか?」
『はい』or『いいえ』
「しつこいぞ」
「おおそれ有り難い!わしアクセルと二人町づくり始める!すぐ!」
口を挟む間もなく、商談成立。アクセルが飛び上がって驚いた。当然だろう。
「んな、簡単にさようならって……っ!酷いよ、旦那ぁ!!」
不満を口にしたアクセルと、そんなやり取りを黙って見ていたカイが、彼側に付いた。
「アクセルさん……。ソル、やっぱりやめましょう。こんな荒れ果てた土地に、町なんて作れませんよ」
「甘やかすんじゃねェ、坊や。テメェも泣き言を言うな。ここにきっちり町を作れ。その時に迎えに来てやる」
カイの言葉にもソルは首を縦に振らず、アクセルの肩を叩いて励ました。
「迎えに来てくれるんだ?じゃあ、俺様頑張っちゃおうかな」
「ええ?そんなアッサリ……。大丈夫なのですか、アクセルさん?」
「うん。旦那が言うんだから、間違いないよ。カイちゃんはこれからも旦那を助けてあげてよ」
「は、はい」
ソルに絶対の信頼を置いているアクセルの言葉に、カイの方が驚いた。もし自分ならと置き換えて、それほど素直に男の言葉を受け入れられるのかと、カイは口を噤んで考えた。
「お礼にいい事教える。この大陸の真ん中、スーの村ある。井戸の周り調べろ」
老人の言葉に、カイは持っている雷の杖に視線を落とした。既に調べて手に入れている。カイの視線が痛い。ソルは苦笑を零した。
「じゃあな。また来る」
「うん、待ってるよ。カイちゃんと仲良くね」
「ククク、あぁ」
そうして商人と別れ、ソルは何故か落ち込むカイを連れて、スーから西に位置するアープの塔へやって来たのだった。


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リンク削除&追加/神原

副管理人の神原です。
……ここに書くのはものっそい久し振りですね。
すいません、ロクに更新なくて…(汗)

え~、この5月で閉鎖されたサイト様がいらっしゃるので
そのリンクを削除させて頂きました。
2サイト様、お疲れ様でした!!

そして入れ替わりに1件追加致しました。
素敵なイラストサイト様でございますよv是非行くべし!!
どうぞ宜しくお願い致します(土下座)


あとは、10月と随分先ですが、オンリーがあるそうなので、
その応援にとリンクをコッソリ?はらせて頂きました。
東京ではよくあるんですけどね~……大阪でもやって下さい(涙)

すいません、更新は以上です(汗)

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スー Lv.23~アリアハン Lv.?

スーの村で情報を得て、勇者一行は村より東の海岸の草原にやって来た。だが、そこに町は存在せず、一人の老人が住んでいるだけだった。
「わしここに町作ろう思う。町あればきっと皆喜ぶ。商人いないと町出来ない。レベル低くてもいい。商人なら文句ない。誰か来ないか……」
つまり、商人を連れて来いと言う事だ。やれやれと肩を竦めると、ソルは踵を返した。
「アリアハンへ戻るぞ」
「え?う、うん」
商人を連れて来るつもりでいる勇者に驚きつつ、カイはその後を追った。この男は無駄な事はしない。この草原に町を作らなくてはならない理由があるのだろう。大人しく付いて来る賢者を肩越しに見やり、勇者は目を細めて笑った。そうして船に乗り込み、ソルはふとある事を思い出した。動きを止めた勇者を見上げ、カイが尋ねた。
「どうした?何かやり残しがあるのか?」
「山彦の笛を取ってねェと思ってな」
「どこかの塔にあるらしいけど、心当たりでも?」
「あぁ……だが…まぁ、後回しでいいか…。アリアハンへ戻る」
旅の順序を組み立てたのだろう。カイは安心して移動呪文を唱えた。そうしてアリアハンへと戻って来た二人は、まっすぐにルイーダの酒場に向かった。
「ここはルイーダの店。旅人達が仲間を求めて集まる出会いと別れの酒場よ。何をお望みかしら?」
「名簿をくれ」
「はい、どうぞ」
名簿を見たが、商人が登録されていない。名簿を閉じて視線を上げると、カウンターの女性と目が合った。
「他にご用は?」
「いや」
「じゃ、またいらしてね」
名簿を返し、振り返るとカイがいない。辺りを見回すと、銀行で溜まった路銀を預けている。抜かりの無い賢者にソルは目を細めて笑った。
「おい、登録所に行くぞ」
「はい」
そうして上階の登録所へ向かい、商人を新たに登録するのだが、何度試みても目当ての男が現れない。気の長い方ではない男が、飽きた。
「坊や、こいつが出て来るまで問い合わせろ」
「………うん」
走り書きのメモを受け取り、カイは眉根を寄せた。指定の性格の男性商人。種の使用である程度の性格付けは可能なのだが、指定された性格はこれと言った特徴が無い。店主にお任せで種を使ってもらい、当たるまで繰り返すしかない。即ち運任せ。又は神頼みとも言う。商談を始めたカイを尻目に、ソルは喫煙所へやって来た。設置してある椅子に腰掛け、懐の煙草に手を伸ばした。すると、一人の吟遊詩人が近付いてきた。
「勇者が天に選ばれし者なら、賢者は神に選ばれし者。厳しい修行を積んだ者だけが賢者になれるそうな」
「神、か」
穏やかな赤茶の眼を細めて賢者を見つめる勇者に、吟遊詩人はつられて顔を綻ばせた。
「神のお導きでしょうかね」
「さぁな、神とは縁がねェからな」
これも巡り会わせ。ソルは紫煙を燻らせながら、カイを待った。
「この方を登録しますか?」
「はい!お願い致します!」
ようやく目当ての商人が見つかった。お任せで種を使ってもらい、お節介な商人アクセルの誕生である。
「やっとか、遅ェぞ」
「文句言うな!早々に諦めたくせに!!」
「あぁあぁ、分かった分かった。ご苦労だったな」
「全然気持ちが篭ってない!!」
男の適当な労いに、カイがむくれて階下へと向かって歩き出してしまった。やれやれと肩を竦めると、ソルは階段の手前でカイの腕を掴んで引き寄せると、そっと唇にキスを落とした。
「良くやった」
短くそれだけを言うと、ソルは階下へと降りて早速酒場でアクセルを呼び出した。
「旦那!久し振りだねぇ、元気してた?」
「ぼちぼちな」
元気一杯のアクセルに、ソルはニヤリと笑った。
「あれ?カイちゃんは?」
「ククク、上で惚けてる」
「あらあら……あんまりからかうと、愛想尽かされて逃げられるよ?」
「あぁ、次から気を付ける」
言葉とは裏腹に楽しそうな勇者に、商人は苦笑を零して頭を掻いた。そんな噂の彼は、階段に座り込んで、火照る顔から熱が引くのを待っていたのだった。


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グリンラッド Lv.?~スー Lv.23

一つ飛ばせば、後はいくつ飛ばしても同じである。勇者一行はスー地方の北の島、グリンラッドへとやって来た。
「寒いと思ったら、雪だぁ」
看板へと上がり、カイは空を見上げた。吐く息が白い。カイは舞い落ちる雪に手を差し出して微笑んだ。楽しそうに雪と戯れている賢者の後に付いて看板へ上がってきた勇者は目を細めて笑った。
「北アメリカ大陸の更に北だからな…。大丈夫か?」
「うん、大丈……って、何をする!」
ソルに背後から抱きすくめられ、カイは顔を赤くして慌てた。
「身体を冷やすなよ。戦闘に入った時に動けなくなるからな」
「…な、なんだ……うん、分かった」
ホッと安堵の息を吐くカイを腕の中に納めたまま、理由が無くては触れ合えないのかとソルは苦笑を零す。欲望のままに生きる男にとって、初心なカイの相手は神経を磨り減らすのである。
「うわぁ~、広い!凄いなぁ!」
老人の家がある草原にやって来たのだが、その広大な緑の前でカイが感嘆の息を吐いた。
「坊や、こっちだ。付いて来い」
「あ、ちょっと待て」
迷う事無く北北東の方角へ向かって歩く勇者の後を追って行くと、小さな家が広い草原にポツンと建っていた。中に入ると、情報通り老人が一人いた。
「こうして人に会うのは何年振りじゃろう。おお、そうじゃ。いつぞや海賊達がおかしな骨を置いて行って以来じゃな。まぁよい。ところでお前さん達、変化の杖を知っておるか?」
『はい』or『いいえ』
初心者っぽく『いいえ』を選んでおく。
「いや、初耳だ」
「何にでも化けられるという杖じゃよ。サマンオサの王が持っていると聞いておるが……。最後の鍵があれば旅の扉を使い、サマンオサに行けると言うぞ」
情報をメモって、部屋の中を片っ端から調べ、外に出た。
「最後の鍵はもう手に入れてるけど、どうしようか?」
「先にスーに向かう。サマンオサはまだ先だ」
「はい」
今のレベルでサマンオサ地方に行くのは自殺行為である。ソルは進路を正しい攻略順序に戻し、スーの村へと向かった。村に入ると、目の前に家が建っている。珍しくソルがその家に足を向けた。
「ここからちょうど東。海岸の小さな草原に町あったか?」
『はい』or『いいえ』
「いや、無かったぜ」
「やはり駄目じゃったか……。随分前、この村の者、そこへ町作ると出かけたままじゃ」
落胆する老人に背を向けると、ソルは即座に家を出た。
「どうして通っていない東の海岸の事を知っているのですか?」
「……勘だ」
「嘘ばっかり」
「ククク、気にすんな」
村を歩き、女性に話しかける。他にも人がいるのだが、ソルは何故か話しかける相手を知っているようだ。
「山彦の笛、どこかの塔ある聞いた。オーブのあるところ山彦の笛吹く。そうすると、山彦返ってくる」
「……オーブって…このグリーンオーブの事じゃ…」
カイが疑問を口にしたが、ソルはそれを黙殺する。村の中心に井戸を見つけると、ソルは迷う事無く下りていった。すると、一人の老人が住みついているではないか。ソルは老人に話しかけた。
「うわっ!遂に見付かってしもうたかっ!ゆ、許してくれ!返す!壺は返すから!と思うたが、お前さんスーの村の者じゃないようじゃな。わしはその昔エジンベアの兵士でこの村に来たんじゃが、わしだけ船に乗り遅れてしもうてのう。あれから何年経つかのう……。壺は仲間の兵士が持って行ってしまったんじゃよ」
話を聴き終わり、道具を漁ると、即座にソルは踵を返して井戸を出た。
「エジンベアの壺って言うと……渇きの壺の事じゃ…?」
「坊や、喋る馬がいるらしいぞ」
「……明らかに、はぐらかしましたね?」
先を歩く勇者は知らん顔をして、馬を探した。
「私は喋る馬のエド。皆さんにいい事を教えましょう。もし渇きの壺を見付けたら、西の海の浅瀬の前で使うのですよ」
「………ソル、私達攻略する順番を凄く飛ばしているのではありませんか?」
エジンベアで渇きの壺を手に入れて、ここで情報を得ずに向かった浅瀬で、既に最後の鍵を手に入れている。ルザミの島と、グリンラッドの島はカイの思い付きではあるのだが、これらの件に関しては勇者の勘が冴え渡り過ぎている。
「いいじゃねェか。たらい回しされるよりマシだろ」
「……そういうものですか…?」
「文句言うなら、もう二度と町や村で人に話しかけねェぞ」
「すみません。もう言いません」
それでなくても、ほとんどの人を無視して進んでいるのだ。誰にも話しかけず、黙々と進んでいく勇者など聞いた事がない。
「…いや、ここにいる…」
カイは痛む頭を押さえて、困った勇者を横目で見た。この男なら本当に誰にも話し掛けずに進んで行きそうだ。
「何哀しそうな顔してる?ここの残りの宝はいくつだ?」
「ちょっと待って下さいね」
盗賊の鼻の呪文で残りの宝の数を調べると、勇者は盗賊顔負けの勘で宝を発見する。井戸の周りを調べ、ソルがカイを振り返った。
「坊や、雷の杖だ。戦闘中に道具として使うと、ベギラマの効果があるぜ」
「うわぁ、凄い!有り難う、ソル!」
焔の中級の呪文と同じ効果の、貴重な杖だ。弱い海の敵なら、その一撃で倒せるだろう。喜ぶカイの様子を目を細めて笑い、ソルは彼を連れて村を後にした。
次に向かうは、スーの村人が向かったという東の海岸の草原だ。


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ルザミの島 Lv.?

勇者一行はアリアハンを南東へ進み、小さな島へとやって来た。
「ここはルザミ。忘れられた島ですわ。あなた方の前に旅人が訪れたのはもう何年前の事だったかしら……」
二人を出迎えてくれた女性がいた。
「……一度病院に行って頭を診てもら…」
「はいはい、次に行こうな」
「痛ェ、痛ェ、髪を引っ張んな」
「小さな村だからすぐに回れそうだな」
ソルの後ろ髪を引っ張り、カイは情報集めに精を出し、この島より南にあるグリンラッドの島に、老人が一人で住んでいると学者から聞き出した。
「この後に行ってみようか」
「あぁ、スーに行く途中だしな」
「……順番飛ばしちゃったかな…?」
「今更だろ、気にすんな」
ニヤリと笑みを深める勇者につられて、賢者もペロッと舌を出して笑った。そうして村人の話を聞いていると、
「わしは預言者。そなたらがここに来るのを、ずっと待っておった。魔王の神殿はネクロゴンドの山奥!やがてそなたらは火山の火口にガイアの剣を投げ入れ……自らの道を開くであろう!」
意味深な情報を聞き出した。
「ネクロゴンドの火山とガイアの剣、と。よし、メモ完了」
「だいぶ先の話だな…」
苦笑を零す勇者を尻目に、カイは店を見つけて駆け寄った。
「せっかく来て頂いたのに、売る物が何もありません。そうだ…私が昔聞いた噂をお売りしましょう。ガイアの剣はサイモンと言う男が持っていたそうです。……お代?いりませんよ」
店の主人の言葉にカイは驚いた。
「情報をタダで頂いてしまった…」
「どうやら、情報が金にならないみてェだな。有り難く貰っておけ」
「うん。ガイアの剣はサイモンが持っていた、と。メモ完了」
そうして情報を集め終わると、ここでも勇者の勘で落ちている道具を探し出し、二人はこの小さな島を後にしたのだった。
次はここより南のグリンラッド。多少、攻略順は違うが大した事ではない。勇者一行の気ままな旅は続く。


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船旅 ~ 城廻

どこに何があるのか。それを知る勇者は後方から指示を出すと、煙草を燻らせながら海上に目を凝らした。ここはエジンベアから西の海域。海に沈んだ祠を探して進んでいた。
「あ、ソル!あそこに浅瀬があるぞ!」
「あぁ、あれだな」
カイが指を刺す方向は深い海域。だが、そこにポツンと頭を出す岩の群れを発見した。ソルは渇きの壺を海に浮かべた。すると、轟音が響き渡り、祠が浮かび上がってきた。
「うわぁ……凄い…」
感嘆の息を吐く賢者の脇を抜けると、勇者は祠へと足を踏み入れた。床には何かの紋章が描かれており、その中央に宝箱が置かれている。ソルは宝箱を開けた!なんと!最後の鍵を見付けた!ソルは最後の鍵を手に入れた。
「これと……どこかにあったはずだが…」
勇者は額を押さえて考え込んだ。そこへ、カイが滑り易くなっている水浸しの床をゆっくりと歩いて来た。
「どうした?」
「坊や、ここに宝は残ってるか?」
「え?ちょっと待ってくれ」
勇者の問い掛けに、カイは発見の呪文を唱えた。
「うん、後一つ宝が残ってる。レミラーマを唱えようか?」
「やっぱ残ってるか。確かこの辺りに……」
ソルは足元を調べた。小さなメダルを手に入れた。そんな勇者の行動を見ていた賢者が、深い溜め息を吐いた。
「……レミラーマを覚えてから、一度も使っていないんだけど…」
「ククク、手間が省けていいじゃねェか」
「……そうかなぁ…?」
カイは腑に落ちないという風に肩を竦めた。レミラーマとは宝が落ちている所を光らせる呪文で、その場所を調べれば宝を発見出来るのだが、ソルの勘の方が良く当たるのである。他に何かないかと辺りを見回していると、カイは奥の扉を見付けた。奥に進むと、骸骨が椅子に座っている。
「ただの屍……じゃなさそうだな…」
カイは恐る恐る近付いた。
「私は古を語り伝える者。イシス砂漠の南、ネクロゴンドの山奥にギアガの大穴ありき。全ての災いはその大穴よりいづるものなり」
「災いはギアガの大穴から…?バラモス城じゃなくて…??」
疑問を口にしたカイの腕を掴み、ソルが出口へ向かって歩き出した。
「ソ、ソル…ちょっと待って。あの骸骨が不思議な事を…」
「ただの屍だろうが」
「違う、古を伝える者って言っていた。全ての災いはギアガの大穴からやって来るものなんだって…」
ソルは舌打ちすると、祠を出て船に乗り込んだ。すると、祠は再び轟音を響かせて海の中に沈んでいった。
「バラモス城から近いからだろ。それより、最後の鍵も手に入った事だしな、扉を開けに行くぞ」
「う、うん」
はぐらかされた様な気がしないでもないが、カイはソルの後をついて行った。アリアハン、ロマリア、ムオルの村に立ち寄り、囚人から竜の女王の城の情報を聞き、宝を集め、一行はテドンの村へ向かった。夜の闇が濃い内に村へ入り、村の外れの牢獄に囚われている男に話しかけた。
「おお!やっと来て下さいましたね。私はこの時を待っていました。運命の勇者が私の元を尋ねて下さる時を……。さあ、このオーブをお受け取り下さい!」
ソルはグリーンオーブを手に入れた!
「世界に散らばるオーブを集めて遥か南、レイアムランドの祭壇に捧げるのです。あなた方にならきっと新たなる道が開かれるでしょう」
「オーブ…?そう言えば、船を手に入れた時に何か言っていたな…」
「6つ揃えると、船を必要としねェって言ってたんだ。その一つだろ」
「凄い、良く覚えていたな」
「ククク、坊やとは作りが違……おぁ!」
ムッと眉根を寄せると、カイが意地の悪い勇者の後ろ髪を引っ張った。
「ほら、先に進むぞ。ランシールは後回しにして……あれ、ソル。ここを見てくれ」
「…ってェな……ッたく、どこだ?」
後頭部を押さえつつ、ソルはカイが指差す地図を見た。アリアハンから南東の方角に小さな島がある。地図上ではまるで粒の様な島を、カイが目敏く見付けたのである。
「行ってみるか」
「うん」
思い立ったら即行動。勇者一行は好きな所に、好きな時に向かうのだった。


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エジンベア Lv.23

勇者一行は航路短縮の為、ポルトガまで呪文で移動すると、そこから船に乗り込み、誇り高き人々が住む北西の島、エジンベアへとやって来た。城の入り口では、門番がよそ者達を通せんぼしている。
「ここは由緒正しきエジンベアのお城。田舎者は帰れ、帰れ!」
「おらぁッ!!」
「ぐほぁ!?」
ソルが暴言を吐いてきた門番を殴り倒した。うずくまる門番を見下ろし、勇者がニヤリと笑った。
「誰が田舎モンだ。S級賞金稼ぎを舐めんじゃ……」
「ライド・ザ・ライトニングッ!!!」
「ヘヴィだぜ」
「馬鹿、謝れ、逃げるぞッ!!!!!」
倒れこんでいるソルの後ろ髪を引っ張り、カイは慌ててその場を逃げ出した。
「この馬鹿!非常識!!駄目勇者ッ!!!!」
まさかこんな馬鹿な暴挙に出るとは。カイが怒り狂った。
「何の為に消え去り草を買ったんだ!!!」
「交渉も出来ねェような役立たずを門番にした、この国の王が阿呆なんだ」
「阿呆はお前だッ!!!もっと頭を使えッ!!!!」
カイが怒り心頭に発し、ソルは口を曲げた。カイはそんな不機嫌な男と自分の身体に消え去り草をふりかけた。姿が消えると、そっと門番の脇を通り抜けた。ソルはむっつりと眉間に皴を寄せて黙って通り抜けたのだが、
「見えなければこっちのものだ!!!食らえ!!!!」
次はカイが暴挙に出た。
「どわぁああああ!?」
「何だ、坊やも腹立ててたんじゃねェか」
カイが背後から門番を蹴り倒したのである。うずくまる門番を見下ろし、勇者がニヤリと笑い、賢者がガッツポーズをして見せた。冷静沈着のカイも、余りの態度の門番に内心煮え繰り返っていたのである。駄目勇者の供は、駄目賢者。
「そ、そこに誰かいるのか!?」
例えば、角に足の小指をぶつけた時のように、予測していない衝撃ほど痛いものはない。門番が生理的な涙を流しながら、殺気立って振り向いた。ソルは完全に気配を消し、同じく気配を殺したカイを連れて城内へと進んで行った。姿が元に戻ると、勇者は他には目をくれず、地下の階段を下りていった。
「ここは……?」
「カラクリ部屋か…。石の仕掛けがあるな。坊や、やってみろよ」
「パズルみたいなものだな。よし、任せろ」
何の為の仕掛けかなどの情報はまだ手に入れていない。だが、目の前に仕掛けがあれば、解いてみたいという心理が働く。カイは楽しそうに石を動かして、台座へと運んでいく。ソルは煙草を燻らせながら、それを黙って見ていた。
「よし、完了!」
三つの石を台座に運ぶと、奥の壁が開く音がした。興味を引かれて二人で先へ進むと、奥の部屋には宝箱が置かれてあった。ソルは宝箱を開けた。なんと!渇きの壺を見つけた!ソルは渇きの壺を手に入れた。
「…あぁ…そう言えば、ここにあったな…」
記憶を探り、ソルは納得。だが、カイは何の為の道具か知らない。
「渇きの壺?何に使うんだろう…?情報を集めようか」
周りの人々を無視して進んで来た為に、情報不足である。一階へ戻ると、通路に商人がいる。早速話し掛けた。
「その昔、海に沈んだ祠があるそうです。今は浅瀬になってるとか。何か宝物が眠っていそうでワクワクしますな」
「……海に沈んだ祠、と。よし、メモ完了」
「先にセーブ取りに行くぞ、坊や」
「うん、地下の宝箱の物だし…王様なら何か知っているかも知れないな」
そして、情報を集めようと城内の者に話し掛けたのだが、ことごとく田舎者、田舎者と馬鹿にされた。話し掛けるだけ無駄だと踏んだ勇者が周りの者には目もくれず、人を見つけてはそちらに気を取られる賢者を強引に引っ張り、謁見の間の王の下までやってきた。
「ワシは心の広い王様じゃ。田舎者とてそなたを馬鹿にせぬぞ。ふむ……ん?おおっ地下の謎を解いたと申すか。ほうほう、渇きの壺とな?そう言えば、先々代の王が何か地下に隠したと言っておったな。まぁ、大した品ではあるまい。そなたにくれてやろう。わっはっはっ!」
こいつもかと、握り拳を作ったソルを慌ててカイが抑えた。消え去り草があれば、先程と同じく殴り倒しているだろう。気紛れで隣の大臣に話しかけてみると、大陸の情報をくれた。
「遥か西の海にはスー族というインディオの住む新大陸があるそうじゃ」
「西か。まだ行っていない場所だな」
そうして、カイは情報をメモすると、場所を変える事にした。田舎者と馬鹿にする者が多い城内ではなく、城外へ目を向けてみたのである。離れの庭で子供が遊んでいた。
「僕知ってるよ。最後の鍵ってどこかの祠にあるんだよね」
「……祠…海に沈んだ祠だな。よし、道は繋がった。後は、その浅瀬がどこにあるかだけど……」
「アラスカ、ロシア間のベーリング海。アリューシャン列島の辺りだな。この地図で言えば、エジンベアから西の海上だ」
「エジンベアから西……スー族の住む新大陸の方か…。よし、今は浅瀬になっている、海に沈んだ祠を探そう。最後の鍵がそこにある」
「ククク、あぁ」
物知りな勇者の言葉をそのまま信じ、地図とメモを見比べて真面目に旅の計画を練る賢者を連れて、勇者は楽しそうに海へと向かったのだった。


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ランシール Lv.23

勇者一行は素通りしたランシール、立派な神殿のそびえる村に戻って来た。新しい拠点に辿り着いてまずする事は、強い武器、防具の調達である。装備を整える為に、武器防具屋へと向かった。
「強い武器がなかなか出てこないな…。今のところ、全体攻撃とグループ攻撃が主軸になっているから、問題は無いけれど…」
「坊や、鉄仮面が……」
「却下。父上殿の兜の方が防御力が高いだろう。魔法の鎧を二つ買って、いらない防具を売ってしまおう」
「……」
見るからにテンションが下がっている勇者を無視し、カイは買い物を済ませると、道具屋へ向かって歩き出した。すると、店の前で女性が呼び込みをしている。
「私は道具屋の娘。消え去り草を買って行って下さいな。消え去り草はあなたの姿を見えなくしちゃう不思議な草よ。持ってると便利なんだから」
「ふぅん…何かの役に立つかな…?」
「へぇ、姿が消える…か」
カイは興味を引かれたように足を進め、その後をついていたソルの顔が変わった。二人並んでカウンターに立つと、気付いた店主が対応を始めた。
「ここは道具屋です。どんなご用でしょう?」
カイが口を開くより先に、ソルがきっぱりと言い切った。
「消え去り草を有りっ丈くれ」
「……は?…はぁ」
「馬鹿――――っ!!!無駄遣いするな!!一つでいい、一つで!!」
「はは、そうですよね…ビックリしました」
苦笑を零しながら、店主は消え去り草をカイに手渡した。それを横目に見ながら、ソルが舌打ちした。
「チッ、せっかくのいい道具が……」
「ではまたのお越しをお待ちしています」
良からぬ事を考える勇者を知ってか知らずか、店主がニッコリと笑った。後で買いに来ようと、ソルは一人画策するのだった。
そうして、旅の支度を済ませると、武器屋の脇から森を抜けて、神殿へ向かった。だが、頑丈な扉で硬く閉ざされている。持っている鍵では開けられなかった。
「…最後の鍵を探さなきゃいけないな。でも、どこにあるんだろう?」
神殿を見上げて途方に暮れるカイの傍を離れて、ソルは懐に手を伸ばした。
「ん?こんな人間の住む村に……変わったスライムだな」
煙草に火を点け、神殿の脇に住み着いているスライムに近付いた。スライムはソルが近付いても逃げようとせずに、
「消え去り草を持ってるかい?」
人懐こそうに訊いてきた。
『はい』or『いいえ』
「あぁ、さっき買ったばかりだ」
「だったらエジンベアのお城に行きなよ」
「………なるほどな」
脈絡の無いようなスライムのセリフだが、ソルは言葉の核心を読み取っていた。消え去り草があれば、エジンベアの城に入れる。言外にそう言っているのだ。
「俺用の消え去り草を手に入れてからな」
「聞こえているぞ、馬鹿。無駄遣いするなと言っただろう。それより、スライムがこんな村にまで入り込んでいるのか?」
ソルに気が付いたカイがこちらに歩いてくる。すると、ソルの時は逃げなかったスライムが飛び上がって驚いて、脱兎の如く逃げて行ってしまった。
「……何故なんだ」
「クックック、モンスターに嫌われてんな」
「言っておくけど、私よりもお前の方が沢山倒しているんだぞ」
「……変に俺が好かれてんのか?」
スライムが逃げて行った茂みを見やり、ソルは苦笑した。
「それより、スライムと何か話していたんじゃないのか?」
「エジンベア……イギリスに行けだとよ」
「詳しい説明を有り難う」
「あぁ」
ランシールの神殿を抜けた先にある、地球のへそと呼ばれる洞窟には、今はまだ早い。勇者一行はロマリアより北西の島、エジンベアを目指すのだった。


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ムオルの村 Lv.21

迷子ではない。行き先を間違えただけである。初代二人旅ではないのだ。今更迷子など、有り得ない。勇者はランシールの村に一歩踏み入り、移動呪文にその名が加えられた事を確認すると、迷う事無く踵を返した。勇者の供、賢者のカイは訳も分からず、その後を追う。
「村に入らないのか?装備を整えなくてもいいのか?」
「後回しだ。先に北へ向かう。ダーマに飛ぶぞ」
「う、うん」
移動呪文を唱えてダーマの神殿まで飛ぶと、神殿には入らず、船に乗り込んで陸沿いに北へ向かう。途中、ジパングに寄り、ランシールと同じく移動呪文に追加した。そんな勇者の行動に疑問を感じつつ、カイは黙って後をついて行った。この行動が後に旅をスムーズにするのである。そうして北上し、ツンドラを背にした最果ての村、ムオルへとやって来た。真っ先に市場へと向かった。すると、
「いらっしゃい!ここは市場です。とかいって…ポカパマズさんじゃありませんか!お帰りなさい、ポカパマズさんっ!」
案内所の青年がソルに向かって笑い掛けてきた。
「ポカ……??知り合いか、ソル?」
「……いや…」
「ふぅん、まぁいいか。武器防具屋に行こう」
何故か村人達の視線が熱かったが、気にせず店へ向かい、目当ての裁きの杖を購入した。戦闘中に道具として使うと、グループに真空呪文の効果を発揮する貴重な武器である。
「この先は何の店があるのかな?行ってみよう」
更に市場を進むと、兜が一つ置いてあるカウンターがあった。その兜を見たソルが顔色を変えた事に、カイは即座に気が付いた。
「これはポカパマズさん。いらっしゃい!暫く振りですね。ゆっくりしていって下さいよ。そうそう、その兜はあの時ポカパマズさんが忘れて行った物ですよ。いつあなたが取りに来られてもいいように、綺麗に磨いてありますから。あっ、でもその前にポポタに顔を見せてあげて下さいよ」
「またポカパマズの名か…。本当に知らないのか?」
「あぁ、知らねェ。…嫌な予感はするがな…」
「嫌な予感?」
「……ま、行きゃ分かるだろ」
ソルはカウンターを飛び越えて、階段を上がった。驚く男性に頭を下げ、カイもその後に続く。二階の部屋には二人の大人と二人の子供が談笑していた。
「あれ?ポカパマズさん……?でもやっぱり違うや!僕ポポタ。下にある兜?あれはポカパマズさんがお礼にって僕にくれたんだ。きっとそうなんだ。忘れて行ったんじゃないんだよ」
元気の良さそうな子供である。ソルは話の分かりそうな大人に話し掛ける事にした。まずは手前の女性に。
「ポポタは悪戯っ子。コッソリ村を抜け出して外へ遊びに行くなんてしょっちゅうよ。でも、そのおかげでポカパマズさんを助ける事が出来たんだけどね」
「……いい加減、その無駄に長い名前の馬鹿の事を聞きたいんだがな」
「失礼だぞ。名前が長いだけで、馬鹿かどうか分からないだろう」
やれやれと呆れる勇者に、賢者は真面目に返答する。そうして耳打ちしあっていると、部屋にいたもう一人の大人、詩人風の男性が話し掛けてきた。
「あなた達はもしやアリアハンのお方では?」
『はい』or『いいえ』
ようやく話の分かりそうな相手が出てきた。『はい』を選ぶ。
「やはりそうでしたか。ポカパマズ様もそこから来たと申しておりました。確か、アリアハンでの名前はオルテガ……。まだ赤ん坊の息子を残して来たのが心残りだと、そう申しておりましたなあ。なんと!あなたがその息子だと仰られるのですか?」
『はい』or『いいえ』
「不本意ではあるがな……」
「なるほど…確かにポカパマズ様に似てらっしゃる。して、ポカパマズ…いや、オルテガ様はお元気ですか?」
『はい』or『いいえ』
「……あぁ、多分な」
とりあえず、Aボタンを連打しておく。
「そうですか。それは結構な事です。何にしてもオルテガ様にもう一度お会いしたいものです」
懐かしそうに微笑む詩人に、ソルは嫌そうに顔を顰めた。どこをどう見て、オルテガと間違われるのか。そもそも年齢を考えれば、別人だと分かるだろうに。それを察したのか、カイがそっとソルの服を引っ張り、階下へ降りようと促した。ウンザリとしながら、ソルは階段へ向かった。その背中に、制止の声が掛けられた。ポポタである。
「ちょっと待って!あのさ、下にある兜おにいちゃんにあげるよ。大きくて僕かぶれないしさ。お兄ちゃんに使ってもらった方が兜も喜ぶと思うんだ。だから、お兄ちゃんにあげるよ」
「……どうでもいいがな…」
「こら。…ポポタ君、どうも有り難う」
テンションが下がって暗い勇者に代わり、カイが天使の微笑を浮かべて見せた。そうして階下へ降りると、カウンターの男性が即座に声を掛けてきた。
「おっと皆さん。お話は私にも聞こえてましたよ。あなたがあのポカパマズさんのお子さんとは驚きです。さあ、この兜をお持ち下さい。あなたならきっと使いこなせるでしょう」
ソルはオルテガの兜を手に入れた!
「………俺は旅に出る、じゃあな」
「こらこらこら!現実逃避をするんじゃない!!良かったじゃないか、父上殿の兜だぞ!!」
「うるせェ!誰がそんな不細工な兜なんぞかぶるか!!!」
「見た目は別として!守備力も結構高いし!ラリホー、マヌーサ、ルカニ系の呪文耐性もあるぞ!!喜べ!!」
カイは兜を袋から取り出して差し出したが、ソルは嫌そうに顔を顰めて受け取ろうとしない。
「さ、ポカパマズさん」
「テメェまで変な名で呼ぶんじゃねェ!!!!」
「文句言うな。終盤までこれ以上の兜は出てこないんだから」
「………だから嫌な予感がするって言ったんだ…」
兜を受け取り、ソルが口を曲げた。裁きの杖を手に入れた時点でランシールに飛べば良かったと、勇者は深く後悔したのだった。


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テドンの村 Lv.22

船で陸沿いを南下し、勇者一行はテドンの岬へとやって来た。最南端で船を降り、そこから北上する。既に夜の闇が辺りを包み、魔物達の殺気が渦巻いていた。
「ここら辺の魔物は強いな……凄い殺気だ…」
辺りを見回すカイの表情は厳しいものだった。ソルはそんな彼の隣で肩を並べて歩いていた。珍しく歩調を合わせる男に、カイは更に辺りへの警戒を強くした。そんな二人の前に、魔物の群れが現れた。
「坊や、魔封じの杖を使え」
「う、うん。分かった」
呪文を使う魔女やシャーマン、そして攻撃力の強い地獄の鎧が現れ、ソルが戦闘に口を出してきた。カイは杖を握り締めて、戦闘態勢に入った。まずは回復呪文を得意とするシャーマンの呪文を封じ込める。だが、その間に魔女が焔の呪文を使い、ソルとカイは同時にダメージを受けた。
「くっ……ソル、大丈夫か?」
「俺より自分の心配してろ。今の坊やにはキツイ相手だろうが」
「これくらい平気だよ」
平然としているソルの姿に安堵の息を吐くと、カイは魔封じの杖を振るって敵の呪文を封じていく。そんな行動を予測していたのか、ソルが一歩踏み出して彼を後ろ手に庇った。地獄の鎧の攻撃。痛恨の一撃。勇者は深手を負ったが、回復をせずに刃のブーメランで全体攻撃を仕掛け、呪文を使う魔物達を一掃した。
「ソルッ!!」
即座に、カイが回復呪文を唱えた。残る敵は地獄の鎧一体。武器を鉄の斧に持ち替え、ソルが地を蹴った。
「喜べ、倍返しだ!」
会心の一撃。魔物の群れをやっつけた。やれやれと武器を担ぎ直す勇者に駆け寄り、カイはもう一度回復呪文を掛けた。
「大丈夫か?助かったよ」
心配そうにしているカイの頭を撫でてやり、ソルは口元に笑みを浮かべた。そんな男の様子に安堵すると、カイはシュンと頭を落とした。
「すまない。まだ沢山体力が残っていたから…平気だと思ったんだ」
「ここの敵の攻撃と今の坊やの体力に差があり過ぎるんだ。十分にレベルが上がるまでは無茶するな」
「…うん」
カイは賢者に転職してレベル1からスタートしている。戦闘中に名前が黄色くなる危険信号が出る前に回復しなければ、体力の低さから殺られてしまうのだ。勇者とのレベルの差は未だ大きい。
「おら、サッサと村に向かうぞ」
頭を落とすカイの背を押し、ソルはテドンの村へ歩き出した。
深夜だと言うのに、村人が歩き回っている。カイはそんな村人から情報を得ているようだが、ソルは辺りに視線を走らせていた。
「ネクロゴンドには火山を越えないと……ソル、どうした?」
「いや、装備でも整えるか」
「え?うん、結構強い防具が売っていたよ」
「……そうか」
武器防具屋には強い武器は置いておらず、防具のみ揃えて宿屋に向かった。
「それにしても…アッサラームのように劇場がある訳でもないのに、どうしてこんな夜中に村人が起きていて、お店まで開いているんだろう?」
「……鈍いヤツだな…」
「何?ソルは何か気付いたのか?」
「さぁな、サッサと寝ちまえ」
ベッドに横になり、ソルが目を閉じた。今夜は触れてこないと見ると、カイは安心してベッドに入った。
翌朝、太陽の光が差し込む部屋で目覚めたカイは、驚愕に声が出てこなかった。昨夜は真っ暗で良く見えなかったのだが、このテドンの村は廃墟と化していたのである。それでも信じられずに村中を回り、カイは武器防具屋の二階で闇のランプを手に入れた。カイはそのベッドに横たわる白骨を見て呆然としており、ソルはゆっくりと口を開いた。
「昔、魔王に楯突いて滅ぼされた村だ。村人はその事に気付いてねェがな」
「……そんな…」
「ここはネクロゴンドに一番近い村だ。良くも悪くも、その影響を受けてるのかも知れねェな」
「悪いに決まってる!!村人は何も知らずに今も彷徨っているんだぞ!!教えてあげなきゃ!」
カイが闇のランプを道具として使った。辺り一面に闇が広がり、再び夜が訪れた。ソルはやれやれと肩を竦め、彼の後を追った。カイは老人を見付けると、迷わず駆け寄った。
「たとえ魔王が攻めて来ようとも、わしらは自分達の村を守るぞい!何?この村は既に滅ぼされているのではないかと?」
『はい』or『いいえ』
カイは真実を口にした。だが、
「なら、ここで話しとるわしは何なのじゃ。冗談も程ほどにせい!」
老人は聴く耳を持っていない。途方に暮れるカイの腕を掴み、ソルは村を出た。
「馬鹿が、あいつ等の時は攻め込まれる直前で止まってる。救いたかったら、バラモスをぶちのめす他に手は無ェ」
「……今までが、平和ボケし過ぎていたのかな…」
「今までの王か?あんな馬鹿共、放っておけ。大変なのはこれからだぜ」
「ソル、バラモスを必ず倒そうな」
カイが決意を新たにしたようだ。ソルはそんな彼の様子に満足したようだ。最大の褒美が待っているのだ。勇者のやる気が少しだけ出た。


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バハラタ~ポルトガ~船旅 Lv.21

勇者一行はバハラタへと戻ってきた。武器防具屋の南の店に入ると、どうやら商売を再開しているようだった。
「おかげで買う事が出来た。どうも有り難う」
「テメェに礼を言われる筋合いは……おぁッ」
「はいはい、喧嘩を売らない。行くぞ、駄目勇者」
店内にいた剣士に突っかかるソルの後ろ髪を引っ張り、カイはカウンターへ進んだ。
「いらっしゃい。ここは胡椒の店です。やや!あなた方は!?僕です、グプタです!助けて頂いて、有り難うございました。胡椒をお求めですか?」
『はい』or『いいえ』
勿論『はい』を選ぶ。
「では差し上げましょう!お金など、とんでもない!」
ソルは黒胡椒を手に入れた。
「お気を付けて。ダーマの神殿は北の山奥だそうです」
「有り難うございました、グプタさん」
「ふんッ、あばよ」
グプタに別れを告げ、二人は上階に上がった。
「あっ!勇者さん!助けて頂いて本当に有り難うございました。おかげで私たちおじいちゃんからお店を譲ってもらったんです!」
「話は聞きましたぞ。何と言ってお礼を言っていいのやら…。こうして楽が出来るのも、あんた等のおかげじゃ。礼を言いますぞ」
「お礼なんてとんでもない。どうかお幸せに」
「別に感謝して欲しくて助けた訳じゃねェ」
部屋にいたタニアとその祖父にも顔を見せると、二人は移動呪文を使ってポルトガへと戻って来た。船を手に入れる為とは言え、偉く遠回りをしたものである。まっすぐ王の下へと歩いて行った。
「おお、そなたは確か東の地に胡椒を求めて旅に出たソルじゃったな。して、どうじゃったのじゃ?やはり駄目であったのであろう。な、なんと!持ち帰ったじゃとっ!?おお!これは正しく黒胡椒!良くやったぞ、ソル!さぞやキケンな旅であったろう!よくぞ成し遂げた!その勇気こそ誠の勇者のものじゃ!約束通りそなたに船を与えよう!表に出てみるが良い」
「テメェ、調子こいてんじゃね……うぉおあ」
「相手を見てから喧嘩を売れ。さ、セーブを取って海へ出よう」
向こうずね―別名、弁慶の泣き所―を賢者に蹴り飛ばされた勇者は、生理的な涙を目尻に溜めつつ、再び王に話し掛けた。
「胡椒は美味いのぅ。ワシは食べ過ぎで眠い。話はそこの大臣にな」
「しばくッ!どつくッ!!」
「うわわわっ!!気持ちは分かるけど、やめろ、馬鹿!!!!」
勇者を押さえ付けながら、賢者は大臣にセーブを取ってもらうと、サッサと城を出た。すると、目の前に船が用意されているではないか。
「うわぁ、立派な船だな」
嬉しそうに船を見上げるカイを一瞥し、ソルは小さな笑みを口元に浮かべた。
「さぁ、船旅だ。行こう、ソル!」
カイが目を輝かせて船に乗り込み、ソルはその後を追った。城の対岸にあるポルトガの灯台に船を寄せ、そこにいた男から情報を手に入れた。
「この灯台に来たのは正解だったぜ。海の男のオレ様が世界の事を教えてやる!ここから南、陸に沿って船を漕げば、やがてテドンの岬をまわるだろう。そしてテドンの岬からずっと東へゆけば、ランシール。更に、アリアハン大陸が見えるだろう。アリアハン大陸からずっと北へ船で行くと、黄金の国ジパング。で、世界のどっかにある6つのオーブを集めた者は、船を必要としなくなるって話だ。とにかく南に行ってみな。おっと、それから今のオレの言葉をよおく心に刻み込んでおけよ」
長いセリフであるが、世界地図を広げると解り易いだろう。
ポルトガがスイス。そこから南に行ったテドン地方がアフリカ大陸。ランシールは南アフリカからオーストラリアの間辺りに浮かぶ島である。で、アリアハン大陸がそのオーストラリア。そこから北に行けばジパング、日本である。
灯台を下りて、再び船に乗り込み、カイは地図を指して言った。
「よし、テドン地方に行こう」
「南アフリカだな」
「丁寧な説明を有り難う」
「ククク、そうか」
大陸沿いに南に向かう。船旅で一番気を付けなくてはならないのが、海の敵の特殊能力だ。一番の要注意モンスター、しびれくらげ。弱い敵だが、侮るなかれ。
「ちぃっ、ザコが群れて出て来やがってッ!!」
「くっ、すまない……一度撤退して、態勢を立て直そう…」
ソルは身体が麻痺して動けなくなったカイを抱き上げ、鋭く舌打ちした。痺れを取る満月草は道具袋の中にしまっており、戦闘中に探し出している暇は無い。
「クソ、しゃあねェな」
ソルは移動呪文を口の中で唱えた。基本的に弱いモンスターではあるのだが、攻撃されると麻痺してしまう事があるのだ。そして、どんどん仲間を呼び寄せるのである。多勢に無勢は今に始まった事ではないのだが、麻痺攻撃は危険なのだ。どの攻撃よりも脅威であると言えよう。二人とも麻痺したら、どれだけ体力が残っていようとも、その時点で『志半ばで死亡』が確定するのだ。
「ッたく、厄介な敵が多いぜ」
ぼやきながらソルは移動呪文を唱えて、再びポルトガに戻って来た。
「ソル、道具袋に満月草があるから…」
「あぁ」
ソルは満月草を煎じてカイに渡そうとした。が、ふとその手を止めた。
「…ソル?」
「口開けろ」
「?うん」
警戒すらせずに言われた通りに口を開けたカイに笑みを誘われつつ、ソルは満月草を口に含むと、遅かれながら危険を察知した彼に口移しした。
「んんッ!!!」
身体が痺れて上手く動けずにいたカイは為されるがままになっていたが、満月草の効果で痺れが取れると、男の厚い胸板を叩いたり、髪を引っ張ったりして暴れだした。暴れる彼を押さえ付け、ソルが満足して離れる頃には、乱れた呼吸を整えるのに必死になっていた。
「坊やよ、もっと根性入れろ。簡単に特殊攻撃受けてんじゃねェよ」
「根性でどうにかなるものじゃないだろう!?」
「嫌なら、次は抱きながら飲ませてやるよ」
この言葉に、カイがニッコリと笑みを浮かべた。
「満月草を手持ち道具に足せばいいだけだぞ。呪文を覚えたら、戦闘中でもすぐに治してやるからな」
にこやかに笑う賢者の手には雷をまとった剣が握られていた。勇者は両手を上げて降参すると、残念そうに舌打ちを零したのだった。


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